ロク(ROKU)決算:一株利益は52セントで市場予想を上回る
企業概要
ロクは、視聴時間で米国最大のストリーミングプラットフォームを運営している。2019年にストリーミング配信されたコンテンツの視聴時間は400億時間を上回る。社名を冠したオペレーティング・システム(Roku operating system)は、自社のハードウエアだけでなく、TCL、Onn、Hisenseといったメーカーのテレビやサウンドバーなどの提携ブランド商品に使用されている。収益は、広告や配信、ハードウエア販売、OSライセンス供与、サブスクリプション型販売から生み出されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比81%増の6.45億ドル(市場予想は6.13億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・52セント(市場予想は7セント)
第3四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・6.75-6.85億ドル(市場予想は6.47億ドル)
4-6月期の売上高は6億4,510万ドルと、市場予想の6億1,310万ドルを上回ったものの、主要な業績指標が市場予想に届かなかった。
今後の株価見通し
ロクは、インターネットテレビ接続機器市場のトップ企業であると同時に、「スマートTV OS」の最大のライセンサーとしてOEMパートナー網を構築中だ。視聴者は従来の有料ケーブルテレビからストリーミング配信サービスに移行しているため、コードカッティングによるTVストリーミング市場拡大のトレンドはROKUにとっては追い風だ。
1回の決算のみではトレンドを把握しにくい。株価は7%程度下落しているが、他の指標は堅調であり、株価の深押しはないだろう。
ラルフ・ローレン(RL)決算:一株利益は2.29ドルで市場予想を上回る
企業概要
ラルフ・ローレンは、1967年にラルフ・ローレンにより設立された。北米・欧州・アジア地域でライフ・スタイル志向の製品のデザイン、マーケティング、販売を手掛ける。製品にはアパレル、フットウエア、メガネ、ジュエリー、皮革製品、ホームファニシングやフレグランスなどがあり、Ralph Lauren Collection、Polo Ralph Lauren、Lauren Ralph Lauren、Double RLブランドで展開している。製品は、百貨店、専門小売店への卸売販売、あるいは直営小売店やEコマースを通じて直接販売されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比182%増の13.76億ドル(市場予想は12.19億ドル)
★1株当たり利益(調整済)・・・2.29ドル(市場予想は0.87ドル)
第1四半期売上高は予想を上回り、調整済みEPSは予想の3倍弱だった。
今後の株価見通し
好決算を受け、株価は急伸した。140ドル超えから175ドルを目指す展開が予想される。
ウーバー・テクノロジーズ(UBER)決算:一株損失は6セントで市場予想を上回る
企業概要
ウーバー・テクノロジーズは、乗客と運転手、食事の注文者とレストランやフードデリバリーサービス提供者、および、荷送人と運送人をマッチングするためのテクノロジーを提供している。運営するオンデマンドテクノロジー・プラットフォームは、最終的には同社が「空飛ぶ車のシェアリング」と呼ぶ自律車両、無人機による配送、Uber Elevateなどの新たな製品やサービスに利用される可能性がある。サンフランシスコに本社を置き、世界63ヶ国以上で事業を展開している。現在、1億1,000万人を超えるユーザーが少なくとも月に1回はライドシェアリングを利用し、あるいは、食事を注文している。売上高の約76%はライドシェアリングが占め、22%が食事の配達から生み出されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比114%増の39.3億ドル(市場予想は37.2億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・6セントの赤字(市場予想は60セントの赤字)
引け後に発表された決算で、2021年4-6月期決算は市場予想を上回る増収だったが、調整後のEBITDA(利払い前・税引き前・償却前損益)の赤字幅が市場予想より大きかったうえ、利用者数は市場予想に届かず、嫌気した売りが膨らんだ。
今後の株価見通し
ドライバー確保などのコスト増が利益を圧迫した形だ。ただし、9月6日に失業給付金の上乗せ(月に300ドル)が終了することで徐々に職場復帰が見込まれ、この問題は長期化しないだろう。また、デルタ株感染拡大による不透明感もあるが、経済正常化の進展とともに、配車事業も、料理宅配サービス事業も回復しよう。株価は深押ししないのではないか。
MGMリゾーツ・インターナショナル(MGM):一株損失は13セントで市場予想を上回る
企業概要
MGMリゾーツ・インターナショナルは、ラスベガス・ストリップで最大のリゾート運営会社で、同市場の全客室数の約4分の1を占める35,000の客室やスイートルームを有する。ラスベガスのリゾート施設には、MGM Grand、Mandalay Bay、Mirage、Luxor、New York-New Yorkがあり、またCityCenterの50%を保有する。ラスベガス・ストリップ事業は、2019年度のEBITDAR(金利・税金・減価償却費・リース料支払い前利益)の49%を占める。2027年に日本でリゾートをオープンすると予想される(モーニングスターの予想)。また、2018年初めにコタイ・ストリップにオープンした新設備を有するMGM Macauカジノ(56%保有)を運営している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第1四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比683.3%増の22.7億ドル(市場予想は21.2億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・13セントの赤字(前年同期は1.52ドルの赤字)
第1四半期の売上高は予想を上回り、調整済みEPSの赤字幅は予想ほど悪化しなかった。ただし、MGMチャイナでの売上高が予想を下回った。株価は引け後のOTC取引で2.6%程度下落している。
今後の株価見通し
同社株は以下の通り、ベアトレンド下にある。38ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。
モデルナ(MRNA)決算:一株利益は6.45ドルで市場予想を上回る
企業概要
モデルナは、2010年設立、2018年12月上場のバイオテクノロジー企業である。同社のメッセンジャーRNA(mRNA)技術は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの開発で、その有効性が即座に実証され、2020年12月に米国で承認された。2021年初め時点で、24のmRNA開発プログラムを有し、このうち13プログラムの臨床試験が進められている。プログラムは、感染症、がん、循環器疾患、稀少な遺伝子疾患など、広範な療法分野を対象としている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第2四半期(4月-6月期)実績
★売上高・・・前年同期比6,462%増の43.54億ドル(市場予想は42.72億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・6.45ドル(市場予想は5.82ドル)
決算総括
第2四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。
8月5日朝に発表した2021年4-6月期決算では売上高が市場予想以上に増えた。同日の取引では一時、前日比6.0%高の443.99ドルまで上昇し、連日で上場来高値を付けた。
今後の株価見通し
新型コロナウイルスの変異種が猛威を振るっており、同社はますます活躍しそうだ。同社のmRNA方式はワクチンのみならず、癌領域にも応用できると言われ、市場は拡大している。