アリババ・グループ・ホールディング(BABA)決算:一株利益は16.6元で市場予想を上回る

企業概要

アリババ・グループ・ホールディングは、オンラインモバイル電子商取引サイトを展開している。2020年3月期の総取引額(GMV)は6兆6,000億人民元(1兆ドル)と世界最大規模を誇る。タオバオ(C2C)や天猫Tmall(B2C)など、中国で訪問者数が最も多い電子商取引市場を運営している。2020年第3四半期(12月末)の売上高の69%を中国のリテイル事業が占める。同事業には、広告および加盟店向けデータ・サービスで収益を得るタオバオ、さらに手数料が主な収入源である天猫Tmallが含まれる。それ以外の売上高は、中国の電子商取引卸売事業(同2%)、海外の小売・卸売電子商取引市場(それぞれ同5%、2%)、クラウド・コンピューティング(7%)、デジタルメディア・エンターテインメント(4%)、Cainiao(菜鳥網)物流サービス(5%)、イノベーション・イニシアティブ/その他(2%)で構成されている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比34%増の2,057.40億元(市場予想は2,093.80億元) 

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・16.6元(市場予想14.45元)

2021年4-6月期決算で売上高が市場予想を下回り、売りが優勢になった。中国当局がネット企業への規制を強化する中、サイト出店企業への支援拡大による収益圧迫なども意識された。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

同社株は2020年10月から強いベアトレンド下にある。220ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

アクティビジョン・ブリザード(ATVI)決算:一株利益は91セントで市場予想を上回る

アクティビジョン・ブリザードは、最大級のコンソール・ビデオ・ゲーム・パブリッシャーであるActivisionと、PCビデオ・ゲーム・パブリッシャーの大手の1社であるBlizzardとの合併によって2008年に設立された。合併後の新会社は、依然として世界最大手のビデオ・ゲーム・パブリッシャーの1社である。フランチャイズ・ポートフォリオには、80億ドルを超える累計売上高を誇るWorld of Warcraftと、12年間で14タイトルにわたって1億7,500万部超を販売したCall of Dutyが含まれる。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高…前年同期比7.7%減の19.2億ドル(市場予想は18.9億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・91セント(市場予想は75セント)

第3四半期ガイダンス

★純予約・・・18.5億ドル(市場予想は18.0億ドル)

★一株当たり利益・・・75セント(市場予想は74セント)

2021年度通期ガイダンス

★売上高・・・86.5億ドル(市場予想は87.7億ドル)

★一株当たり利益・・・3.54ドル(市場予想は3.77ドル)

2021年度通期ベース売上高、調整済みEPSガイダンスが予想を下回ったが、第2四半期売上高、調整済みEPS実績値、及び続く第3四半期の売上高、調整済みEPSガイダンスレンジが全て予想を上回った。決算発表日の株価は5.9%程度上昇している。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

100ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ペイコム・ソフトウェア決算(PAYC):一株利益は97セントで市場予想を上回る

企業概要

ペイコム・ソフトウェアは、26,500を超える小規模・中規模事業者に人事管理ソリューションをクラウドベース(SaaS)で提供する急成長中のソフトウェア会社である。人材獲得、労働管理、給与、人材マネジメント、人事管理など顧客企業の従業員の採用から退職までの全雇用ライフサイクルをカバーするソリューションをウェブを通じて提供している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比33%増の2.42億ドル(市場予想は2.32億ドル)

★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・97セント(市場予想は84セント)

第3四半期(7月-9月期)ガイダンス

★売上高・・・2.49-2.51億ドル(市場予想は2.42億ドル)

2021年度通期ベースガイダンス

★売上高・・・10.4億ドル(市場予想は10.2億ドル)

第2四半期売上高、調整済みEPS、続く第3四半期売上高ガイダンスレンジ、2021年度通期ベース売上高ガイダンスが全て予想を上回った。株価は決算発表日引け後の時間外取引で7.5%程度上昇している。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

好決算を受け、更なる上値追いとなろう。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ニュー・レリック(NEWR)決算:一株損失は25セントで市場予想を上回る

企業概要

ニュー・レリックは、リアルタイムで膨大なソフトウェア・データを収集、保管、分析するためのソフトウェアアナリティクス・ソリューションを提供する。主要製品であるニュー・レリック・ソフトウェアアナリティクス・クラウドは、ソフトウェアスイート、ビッグデータのデータベース、オープン・プラットフォームで構築されている。ソリューションには、診断、レポーティング、警告、取引監視、およびパフォーマンス監視のための機能が含まれる。収益源は、通常1年契約で提供するソフトウェアのサブスクリプション収入である。米国市場から売上高の大半が生み出されており、残りは欧州・中東・アフリカ(EMEA)、アジア太平洋地域などが占めている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比11%増の1.81億ドル(市場予想は1.73億ドル)

★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・25セントの赤字(市場予想は38セントの赤字)

第2四半期ガイダンス

★売上高・・・1.81-1.83億ドル(市場予想は1.75億ドル)

★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・11-15セントの赤字(市場予想は21セントの赤字)

2022年度通期ガイダンス

★売上高・・・7.3-7.35億ドル(市場予想は7.09億ドル)

★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・49-52セントの赤字(市場予想は81セントの赤字)

売上高、調整済みEPSは、続く四半期、通年ベースガイダンスも含め全て予想を上回った。決算発表日の株価は利益確定売りで1.9%程度下落している。

【図表10】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表11】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

80ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。80ドルを超えた場合、110ドルを目指す展開が期待できそうだ。

【図表12】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

アンダー・アーマー(UAA)決算:一株利益は24セントで市場予想を上回る

企業概要

アンダー・アーマーは、北米や他の地域でスポーツアパレルおよびフットウエアの開発、マーケティング、卸売を手掛ける。アパレル製品は、プロやアマチュアのアスリート、スポンサーを務める大学や専門家のチーム、アクティブなライフスタイルを志向する人々を顧客としている。卸売販売、e-コマース、および400ヶ所を超えるファクトリーハウスやブランドハウスなどの直接販売(D2C)チャネルを通じて商品を販売している。また、MapMyFitnessと呼ばれるデジタルフィットネス・アプリも展開している。1996年に設立、ボルチモアに本拠を置く。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比91%増の13.52億ドル(市場予想は12.17億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・24セント(市場予想は6セント)

2021年通期ガイダンス

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・50-52セント(従来予想は28-30セント、市場予想は34セント)

第2四半期売上高は予想を上回り、調整済みEPSは予想の5倍弱だった。2021年度通期ベース売上高及び調整済みEPSガイダンスレンジをともに引き上げ、予想を上回った。とりわけ調整済みEPSガイダンスレンジは予想を大幅に上回った。

【図表13】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表14】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

ライバルであるナイキやルルレモン・アスレティカの順調な成長と比べると、同社株は見劣りする状態が続いていた。2015年から強いベアトレンド下にあったが、ようやく上抜いてきた。26ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。

【図表15】株価5年間チャート
出所:トレードステーション