ここのところ続いている局所的な豪雨、すごいですね。誰が言い始めたかわからないそうですが、「ゲリラ豪雨」とは言い得ています。突然の雷とともに大粒の雨が滝のように降る様はシトシトというイメージの秋の長雨とは全く異なるものですね。
気温のほうも暑くなったり、寒くなったり、ととても不安定です。体調を壊されている方も多いかもしれません。
かくいう私も週末から風邪を引いてしまっています。寝込んでしまうと、当然のことながら予定していたことができなくなり、その結果、他人に迷惑をかけたり、後の自分のスケジュールを厳しくしてしまうといったしわ寄せがくることになります。
今日は防災の日ということで、夏休み最後の日である昨日から各メディアでは、地震や豪雨といった自然災害に対する備えや訓練などがニュースで取り上げられています。
火事や地震、豪雨は本当に恐ろしいことですし、備えておくべきことですが、身近な「災難」、急に体調を壊してしまう、怪我をしてしまうといった「災い」にも備えは必要ですよね。
体調を壊した、怪我をした、という「災い」に対しての備えというと皆さんが真っ先に思い浮かべるのは生命保険ではないでしょうか?
生命保険は給付金という形で経済面の備えになるものです。病気や怪我で何日も仕事ができない、収入に影響が出てしまう、という状況になったとき、はたして生命保険が備えになってくれるのでしょうか。
生命保険は大きく分けると以下の3つのタイプがあります。
●死亡保険 (死亡リスクに備える)... 定期保険や終身保険など
●生存保険 (長生きのリスクに備える)... 年金保険など
●生死混合保険 (死亡保険と生存保険をセットにしたタイプ) ... 養老保 険など
このほかに医療保険や介護保険があります。
でも、体調を壊しても生きている限り死亡保険は役に立ちません。年金保険などは将来の満期金が目的ですので、これも関係ありません。養老保険なども然り。
それでは医療保険でしょうか?
医療保険というのは、病気やケガを治療するために入院したときの保障です。通院給付金がついている医療保険もありますが、たいていの場合、入院給付金支払いの対象となる入院をした後の通院であることが条件、つまり入院せずに自宅療養をしながら通院治療していれば給付金の対象になりません。
もちろん、上記各種生命保険が役に立たないと言っているわけではありません。 経済面で面倒をみている(扶養している)人がいるような場合は、必要保障額を確認した上で死亡保険に加入しておくことは大切ですし、将来の生存リスクに備えた保険に加入しておくことも意味があります。
ではこれまで取り上げてきた病気や怪我で一時的に仕事ができなくなった、収入に影響が出る、といったときに備えるものはあるのでしょうか。こういったケースには生命保険ではなく損害保険が役に立ちます。
損害保険といえば、それこそ「災害」の備えとしての火災保険や地震保険をイメージされると思いますが、「所得補償保険」という保険があります。 「保障」ではなく給料等の収入を「補償」するもので、医師の指示による自宅療養も対象になります。特に自営業やフリーランスの方にはぜひ知っておきたい保険です。
「備え」について考えてみましたが、病気や怪我はきちんと予防することが、まずは大切ですよね。反省もこめて。
廣澤 知子
マネックス証券 マーケティング部 マネジャー
シニア・フィナンシャル・アドバイザー