コムキャスト(CMCSA)決算:一株利益は84セントで市場予想を上回る

企業概要

コムキャストは、3つの事業で構成されている。コアケーブル事業は、テレビ、インターネット・アクセス、および電話サービスを、約6,000万の米国の家庭および企業(米国の半分近く)に提供可能なネットワークを所有する。地域の約55%の家庭が、少なくとも1つのコムキャスト・サービスを契約している。2011年にGEから、CNBC、MSNBC、USAなどのケーブルネットワーク、NBC放送ネットワーク、地元のNBC関連会社、Universal Studiosやいくつかのテーマパークなどを含むNBCUniversalを買収。2018年に買収したSkyは、英国で最も優勢なテレビ局で、地位を築くために独占的なコンテンツに大幅な投資をしてきた。イタリア最大の有料テレビプロバイダーでもあり、ドイツとオーストリアでのプレゼンスも有する。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★総売上高・・・前年同期比20%増の285.46億ドル(市場予想は271.80億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・84セント(市場予想は66セント)                                

★純利益・・・前年同期比24%増の39.43億ドル(市場予想は31.09億ドル)

第2四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

著名なアクティビスト(物言う株主)として知られるトライアン・ファンド・マネジメントによる活性化期待もあり、同社株はネットフリックス株と比べても好調に推移している(2021年8月2日時点)。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ギリアド・サイエンシズ(GILD)決算:一株利益は1.87ドルで市場予想を上回る

企業概要

ギリアド・サイエンシズは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)を中心に、有効な治療法が確立されていない感染症治療のための新薬を開発し製品化を行うバイオ医薬品企業である。2006年にCorus PharmaとMyogenを買収、その後CV Therapeutics、Arresto Biosciences、2011年にはCalistoga Pharmaceuticalsを買収し、肺疾患や心臓血管疾患、がん治療分野にも進出。2012年のPharmassetの買収により、C型肝炎治療薬ハーボニーの併用剤の一部でもあるソバルディを取得。Kite Pharmaの買収、および継続中のForty-Sevenの買収で、細胞療法および非細胞療法のがん治療薬のエクスポージャーが広がることになる。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4-6月期)実績

★製品売上高・・・前年同期比21%増の62.2億ドル(市場予想は60.6億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.87ドル(市場予想は1.75ドル)

2021年度通期ガイダンス

★製品売上高・・・244-250億ドル(従来予想は237-251億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・6.90-7.25ドル(市場予想は7.08ドル)

第2四半期決算は、利益が予想を上回った。新型コロナウイルス治療薬の抗ウイルス薬「レムデシビル」の販売が好調だった。一方、コロナ禍の影響により病院で診察を受ける人が減ったことから、主力製品であるエイズウイルス(HIV)治療薬の売上は減少した。時間外取引で株価は2%超下落した。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

同社株は2018年からレンジ内相場となっている。画期的M&Aで大型新薬を持てるかどうかが鍵となろう。80ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

オーバーストック・ドット・コム(OSTK)決算:一株利益は1.91ドルで市場予想を上回る

企業概要

オーバーストック・ドットコムは、ウェブサイトを通じて製品やサービスを提供するオンライン小売業者である。家具・室内装飾品、ジュエリー、腕時計、アパレル・アクセサリー、BMMG (書籍、雑誌、CDなど)、エレクトロニクスなど幅広い商品を扱う。家庭用品・ガーデニング商品の売上が、全体の売上高の大半を占めている。自社の在庫を販売するダイレクト事業や、メーカー、流通業者、その他サプライヤーからの商品を自社のウェブサイトで販売するパートナー事業を展開している。事業別ではパートナー事業が、地域別では米国が収益の大半を占めている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比2%増の7.95億ドル(市場予想は7.68億ドル)

★1株当たり利益・・・1.91ドル(市場予想は0.67ドル)

第2四半期売上高は予想を上回り、調整済みEPSは予想の3倍程度良かった。

同社CEOは引き続きブロックチェーンビジネスが今後の収益を担うと自信を表明した。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

決算発表後の株価反応が良くない。上昇トレンドを下回った。当面底値模索の動きとなろう。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

TモバイルUS(TMUS)決算:一株利益は78セントで市場予想を上回る

企業概要

TモバイルUSは、2013年にドイツテレコム傘下のTモバイルUSAと、プリペイド(料金先払い)通信サービスを専門とするMetroPCSの合併により誕生した。合併後、主要市場で全国的なサービスを提供していたが、普及には至るところで偏りが見られた。広範な普及に適した低周波数スペクトラムに積極的に投資し、地理的に事業ネットワークを大幅に拡大してきた。積極的なマーケティングと革新的なサービスが相まって、顧客基盤は急速に成長した。スプリントを買収したことで、現在の事業規模は競合他社とほぼ肩を並べるまで拡大した。ポストペイド(料金後払い)契約顧客数は6,500万人、プリペイド(料金前払い)契約顧客数が2,100万人に上り、リテイル携帯電話市場で約30%のシェアを有する。また、America MovilsのTracFoneブランドなどを展開し、ホールセールサービスも提供している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比13.2%増の199.5億ドル(市場予想は193.7億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・78セント(市場予想は49セント)

4-6月(第2四半期)決算では、売上高が市場予想を上回った。同社は加入者数の見通しを上方修正し、第5世代(5G)移動通信ネットワークでベライゾン・コミュニケーションズやAT&Tに先行したメリットを示唆した。

【図表10】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表11】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

AT&T、ベライゾン・コミュニケーションズ、同社の3社の株価チャートを比較すると、同社株価の上昇率は際立って高い。高い増益率見通しが背景にある。更なる上値追いとなろう。

【図表12】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

KLA(KLAC)決算:一株利益は4.43ドルで市場予想を上回る

企業概要

KLAは、半導体産業のための歩留まり管理、プロセス監視診断、制御システムの設計および製造を手掛ける。システムは、製品開発の様々な段階で製造プロセスを分析するために使用される。レーザースキャニング製品は、ウエハーの認定、プロセスモニタリング、および装置モニタリングに使用される。また、光学計測および電子ビーム計測のための検査ツールおよびシステムを提供する。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第4四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比32%増の19.3億ドル(市場予想は18.8億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・4.43ドル(市場予想は3.99ドル)

第1四半期(7月-9月期)ガイダンス

★売上高・・・19.2-21.2億ドル(市場予想は19.1億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・4.01-4.89ドル(市場予想は4.13ドル)

第4四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。続く第1四半期の売上高、調整済みEPSガイダンスレンジもともに予想を上回った。決算発表日引け後のOTC取引で、同社株は2.7%程度上昇している。

【図表13】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表14】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

ほぼ全ての産業でDX化が進む中、従前からみられたシリコンサイクル(半導体需給の波)とデジタル革命進展に伴う需要拡大(グレートサイクル)で、半導体、半導体製造装置株は、かつてない業績相場の様相を呈してきた。更なる上値追いが見込めよう。

【図表15】株価5年間チャート
出所:トレードステーション