【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,058.52  ▼85.79 (7/27)
NASDAQ: 14,660.58  ▼180.14 (7/27)

1.概況

米国市場は香港株と上海株の大幅下落が重石となるなかハイテク株などに利益確定の売りが出て6日ぶりに反落となりました。65ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに266ドル安まで下落しましたが、引けにかけて下げ幅を縮めると結局85ドル安の35,058ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も180ポイント安の14,660ポイントとなっています。

2.経済指標等

7月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は129.1と前月から上昇し市場予想も上回りました。5月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数も前年同月比17.0%上昇し市場予想を上回りました。一方で6月の米耐久財受注額は前月比0.8%増に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や不動産、ヘルスケアなどの6業種が上げ、公益事業は1%を超える上昇となりました。一方で5業種が下げ、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービス、情報技術、エネルギーは1%以上下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では技術説明会で新製品の投入計画に変更がなかったことが失望されインテル(INTC)が2%余り下げ下落率トップとなったほか、セールスフォース・ドットコム(CRM)とボーイング(BA)、アップル(AAPL)、ホーム・デポ(HD)も1%以上下げています。また、取引終了後に決算を発表したマイクロソフト(MSFT)は決算が市場予想を上回ったものの材料出尽くしで時間外で一時一段安となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では物流大手のUPS(UPS)が7%近く下げました。決算は市場予想を上回りましたが、米国内の平均輸送量が前年同期を下回ったことが嫌気されました。電気自動車のテスラ(TSLA)も2%近く下落しました。決算は市場予想を上回る増収増益となったもののイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が半導体不足に懸念を示したことで売りが優勢となりました。一方で取引終了後に決算を発表したグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)は売上高と1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で大幅高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%低い1.24%となりました。ドル円は109円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)