高まるインフレ懸念
先週は米国を始め、ドイツ、フランス、英国、ニュージーランドの消費者物価指数が発表されました。事前予想を下回ることはなく、各国とも予想通り、または予想を大幅に上回る結果が相次ぎました。これらの国々はテーパリングや利上げの時期を探る状況となっており、通貨高になることも懸念されます。
米国株も史上最高値から少し下落しており、米ドルに資本が回帰しているように思います。暗号資産市場も似たような現象が起こっており、BTC(ビットコイン)市場もその上値の重さを引き継いでいるように感じます。
BTCは小動きの展開
BTC/JPYの日足分析から始めます。
先週から少しずつ下値を切り下げている相場が続いています。先般の中国当局による取り締まり強化の報道から、中国国内からの資金流入がだいぶ枯渇しているように感じます。
まずMACDですが、すでに0.00付近で停滞しており、陽転することなくマイナス圏で推移中です。ボリンジャーバンドも一定のバンド幅をキープしながらスクイーズ(※)相場が続いています。(※スクイーズとは、バンド幅が収縮して狭いレンジで推移すること)
このテクニカル条件ですと、エクスパンション(※)した方向に相場が伸びやすくなりそうですので、それまでエントリーは控え、順張りトレードのタイミングをうかがうのが良さそうです。(※エクスパンションは、バンド幅が一気に拡大し、トレンド初動発生の合図)
個人的には上方向に伸びることを期待しています。しかし、夏枯れ相場を意識して、短期的には戻り売りでレバレッジトレードも十分あり得ると考えています。
では、4時間足に切り替えて見てみましょう。
短期的には戻り売り局面か
4時間足ですと、ディセンディングトライアングルです。342万円にサポートラインが引けますが、個人的にはもう一段安を予想しています。戻り売りの目処としては、下降トレンドラインが引けるゾーンからの戻り売り戦略です。
逆に上昇方向にベッドされる場合は、342万円をバックに押し目買いを狙います。下降トレンドラインを右方向にブレイクしていきますと、ボトムアウトの兆しとなりそうです。
4時間足もボリンジャーバンドがスクイーズを始めていることから、もう1-2日間この価格帯を維持し、ブレイクした方向に一定の距離でトレンドが発生するようにも思えます。このタイミングでデイトレードにて順張りを狙うのも良いと思います。
図表2の丸で囲った2箇所ですが、高値を一瞬切り上げました。短期の戻り売り勢は、ストップにかかっていると思われます。ここから安値をトライするのであれば、下方向にブレイクしやすいと考えます。
私は深い押し目買い目線ですので、現状価格でのエントリーは見送り、日足の320万円付近、あるいは、あえてサポートラインがブレイクした後の300万円付近からの押し目買いを狙いたいと考えています。
ETHは18万9000円のサポートラインが重要局面
ETH(イーサリアム)分析に移りましょう。
BTCと同じく、下降トレンドラインを引くことができました。ETHも戻り売りのイメージです。日足レベルでも着実に上値を切り下げているので、ダウントレンド最中と判断して良いでしょう。
18万9000円のサポートラインをブレイクした際には、こちらも同じく相場が大きく動きそうです。残り7%程度の下落で、この水準に差しかかります。私はどちらかと言うと、この安値を割り込んだ後の値動きに注目しています。底が入る合図ですと、抜けても下ヒゲブレイクの騙し相場で終わるでしょう。逆に日足レベルでサポートラインを割り込んでクローズした場合、まだ下落相場が続くと考えます。
これにより目先の投資戦略が変わるので要注意ですが、個人的にはあえてブレイクしたあたりで買いたいイメージを持っています。その理由は、前回のコラムでもお伝えした通り、過去データからETHは7月後半が起点となって年末に向けて相場が上昇する傾向が見られるからです。2021年も7月から上昇に転換できれば、大きなブル相場が待っている可能性があると考えられます。
18万9000円を割り込んだ場合、次のサポートラインはちょうど17万円付近となります。
個人的には、この水準から買い指値注文を入れる予定です。
ここ最近、軟調な展開が続いていますが、今は買い場を探して仕込む時期だと考えています。短期的にはレバレッジ取引で戻り売りトレードを検討したいところです。中長期的には、安値割れで仕込み時期を模索するフェーズだと思います。
今週はBTC、ETHともに、日足サポートの重要局面です。この水準での値動きに注目し、今後の投資戦略を見極める週となるのではないのでしょうか。個人的には、BTCもETHもあえてサポートラインがブレイクしたところからの逆張りエントリーをイメージしています。