昨年12月から私はS&P500とナスダック100指数連動型の投資信託に毎日それぞれ1,000円の積立「投資」を始めてみました。米国株市場全体と、米国のテクノロジー企業が中心となっている2つの株価指数への投資です。
毎日投資と言っても営業日ベースですから、月22~23日くらい、2種類の投信へ毎日2,000円ですから、だいたい1ヵ月に5万円程度の投資となります。
この投資を始めた理由なのですが、何となくやってみたかったというのが正直な答えです。元々とりあえず自分でやってみないと気が済まないという性格もあり、証券会社が提供しているこの「投資」の仕組みを自分で経験してみたかったのです。
私は外国株に係わる仕事を始めて35年の年月が経ちます。自分でもありとあらゆる「投資」を行ってみましたが、実はこの自動積立投資をやってみて、この仕組みのすばらしさには感動させられました。実に便利なのです。
私が金融業界に入った1987年は、NYダウが史上最高値を更新、毎日のように上がっており、当時の証券会社の店頭には、「あのNYダウを買いたいんだが」というお客様がいたといいますが、当時のこの話は冗談として扱われました。何故冗談かといいますと、今ではダウやS&P500に投資できるETFや投資信託がありますから、冗談でもなんでもないのですが、1987年当時NYダウのETFはおろか、ダウという株価指数連動の投資信託すら存在していませんでした。
それが、米国では1993年に入って世界最初のETFである「スパイダー」(ステートストリートSPDR S&P500 ETF:SPY)、1998年にはSPDRダウ・ジョーンズ工業株平均ETFトラスト:DIA)と呼ばれるそれぞれS&P500、ニューヨークダウ指数連動の金融商品が上場し、誰でも手軽に米国株市場指数に投資をすることができるようになりました。
その後、日本で手数料の低い米国株指数連動の投資信託が販売されるようになったのは近年の事です。今や、その投資信託に毎日最低たった100円から投資ができるようになったのです。
この積立投資の仕組みのすばらしさとは?
この投資のシステムのすばらしさは、マネックス証券の口座で一度設定しておけば、後は何もしなくとも自動的に毎日こつこつS&P500やナスダック100連動の投資信託を買い付けしてくれることです。証券口座に資金がないと、銀行から自動的に資金を移動してくれることになっています。
例えばS&P500のETFに投資をしたとしましょう。投資の難しいところは、個人投資家はついつい株価が高いところで買ってしまい、安いところで売ってしまうという傾向があります。
投資の一番の敵は、投資家自身の心理なのです。それをこの投資のシステムは、個人の感情を投資判断に反映させないで、毎日こつこつ、相場が上がっても下がっても投資をするように設計されています。これは投資で最も大切な一つである「時間の分散」を自動的に行ってくれるのです。配当金の再投資をおこなってくれますので、複利の効果もあり、お金の無駄がありません。
昨年12月から累計281,000円の積立投資を行いましたが、現在307,071円となっていますので、この間9.3%のリターンが上がっていることになります。
銀行の預金口座にお金を入れておいても、ほとんど金利が付かないということを考えるとこれは素晴らしいリターンです。
勿論、これは元本保証の商品ではなく、株というリスク資産に投資をしている訳ですから、相場次第では投資資金が元本を割ることがあります。
大切なのは長期的に魅力的な市場を選択し、時間の分散でじっくり投資
ここで大切なのは、投資対象の資産が長期に渡って上昇するのかを見極めることであり、その考えに基づいて長期的な投資をするということです。私は仕事やプライベートでも米国経済や米国株市場の将来性について触れ、考える機会が多いのですが、その結論はというと、米国経済や米国株はこれからも長期に渡って上昇すると考えています。ですから、今回の積立投資をすることに恐れはないのです。
今回の投資信託の投資は、目先半年や1年という短い投資スパンでなく、10年、20年先を見据えた投資ということで始めています。始めてみて、自分の長期的な資産形成の一部を、このような自動積立の仕組みを使って良かったなとというのが正直な感想です。
皆さんの中でも、米国株に投資をしてみたい、でも米国株のマーケットは敷居が高そうだし、どうやって米国株投資を始めたら良いか分からないという方にとっては、真剣に検討する価値のあるサービスだと思います。
米国だけでなく、世界全体の株式市場に投資をしてみたい、また、新興国の株式市場に長期投資をしたいと思われるのであれば、そのような投資信託もありますので、じっくりと検討し、長期的な資産形成に役立ててみてはいかがでしょうか。