東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。141円安の29,149円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分後に93円安の29,197円まで戻しましたが、上値は重く下げ幅を大きく広げると前引け間際に415円安の28,875円まで下落し384円安で前場を終えました。346円安の28,944円でスタートした後場の日経平均は大引け間際に240円安の29,050円まで持ち直すと結局272円安の29,018円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となり年初来高値を更新しています。

2.個別銘柄等

米FOMCの結果を受けて米長期金利が上昇したことから生保株が高く、第一生命ホールディングス(8750)が一時3.9%高、T&Dホールディングス(8795)も一時4.3%高となりました。メガバンクも堅調で三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時3.3%高となったほか、三井住友フィナンシャルグループ(8316)も一時2.6%高となり、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時2.9%高となりました。また、三菱ケミカルホールディングス(4188)がアナリストとのミーティングで4月に社長に就任したジョンマーク・ギルソン社長が示した経営方針を評価した買いで上昇し一時4.3%高となり年初来高値を更新しました。さらに出資する企業が次世代半導体材料の量産に世界で初めて成功したと発表したことで昨日にストップ高となったタムラ製作所(6768)は本日も買いを集め21.4%上昇し連日でストップ高となり年初来高値を更新しています。アルミ圧延最大手のUACJ(5741)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.1%高となりました。

一方で投資判断や目標株価の引き下げを受けて大きく下げたのがコマツ(6301)やナブテスコ(6268)で、コマツは外資系証券が投資判断と目標株価を引き下げたことで5.2%安となり、ナブテスコも国内大手証券が投資判断を引き下げたことで一時4.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は272円安となりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)で参加者の政策金利の見通しが2023年中の利上げ開始を示唆する内容となったことで昨日の米国市場が続落となったことから売りが優勢となりました。最近は節目の29,000円を上回ると伸び悩む傾向がみられますが、本日も下げ幅を広げ29,000円を割り込む場面がありました。そのため29,000円を超えたところでの上値の重さが改めて意識されそうで、明日も売りが優勢となった場合には29,000円や一目均衡表の雲の上限(28,935円)を引き続き維持できるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時30分に米新規失業保険申請件数や6月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表されるほか、23時には5月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。また、明日は金融政策に変更はないとみられますが、昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)