【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,299.33  ▼94.42 (6/15)
NASDAQ: 14,072.86  ▼101.29 (6/15)

1.概況

米国市場は翌日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え様子見ムードが強いなか持ち高調整の売りも出て下落となりました。3ドル高でスタートしたダウ平均は直後に26ドル高まで上昇しましたが、買いが続かず直ぐにマイナスに転じると下げ幅を広げ昼前に194ドル安まで下落しました。その後午後に入って持ち直したダウ平均ですが上値は重く軟調に推移すると結局94ドル安の34,299ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も101ポイント安の14,072ポイントと4日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

5月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.8%上昇し市場予想を上回りました。また、5月の米鉱工業生産指数も前月比0.8%上昇し市場予想を上回りました。設備稼働率も75.2%となり市場予想を上回っています。一方で5月の米小売売上高は前月比1.3%減となり市場予想を下回りました。6月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数も17.4と前月から低下し市場予想を下回りました。4月の米企業在庫も前月比0.2%減となり市場予想を下回っています。さらに6月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も81と前月から低下し市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や情報技術、コミュニケーション・サービスなどの7業種が下げ、不動産は1%安となりました。一方でエネルギーや資本財・サービスなどの4業種が上げ、エネルギーは2%余り上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではシェブロン(CVX)が2%を以上上げたほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)も1%以上上昇しました。一方でJPモルガン・チェース(JPM)とセールスフォース・ドットコム(CRM)、ウォルト・ディズニー(DIS)が1%以上下げ、ホーム・デポ(HD)も1%近く下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では、エクソンモービル(XOM)が増配の余地が大きいとの指摘を受けて3%以上上げています。物流大手のフェデックス(FDX)も四半期配当を15%引き上げると発表したことで2%余り上昇しています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの1.49%となりました。ドル円は110円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。FOMCの結果発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の11時に中国で5月の鉱工業生産や小売売上高など多くの経済指標が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)