東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて3日ぶりに反落しました。日経平均は156円安の28,901円で寄り付くと取引開始から30分余りで293円安の28,764円まで下落しましたが、前引けにかけて持ち直すと141円安の28,916円で前場を終えました。さらに下げ幅を縮め87円安の28,970円でスタートした後場の日経平均は直後に66円安の28,991円まで戻した後14時10分に165円安の28,892円まで下げ幅を広げましたが、その後やや持ち直すと結局116円安の28,941円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

アパレル大手のワールド(3612)が6.8%高となりました。多くのアパレルブランドで気温対応できる袖丈のシャツやブラウスが堅調で5月の既存店売上が前年同月比82.9%増となったことが好感されました。太陽光発電の設備工事を手掛けるサニックス(4651)も11.6%高と急伸し年初来高値を更新しました。国や自治体が公共建築物をつくる場合は原則として太陽光発電設備を設置する脱炭素社会の実現に向けた住宅・建築物の対策案を政府が示したことから買いを集めました。中央発條(5992)も8.2%高となり年初来高値を更新しました。自動車の足回りに使用するシャシばねがマツダ(7261)とホンダ(7267)に新たに採用されたと発表したことが材料視されました。

また、投資判断と目標株価の引き上げに反応し大幅高となったのがレンゴー(3941)と日本オラクル(4716)で、レンゴーが5.6%高となったほか、日本オラクルも3.2%高となりました。さらにラウンドワン(4680)も目標株価の引き上げを受けて3.5%高となり年初来高値を更新しています。一方でエムスリー(2413)が目標株価の引き下げを受けて5.0%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は116円安となりました。米長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出て昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が1%安と大きく下げたことから売りが優勢となり昨日回復した節目の29,000円を割り込みました。今週は29,000円を上回ると押し返される展開が続いただけに29,000円を超えたところでの上値の重さが強く意識されそうですが、こうしたなかで来週も買いが優勢となった場合には100日移動平均線(29,056円)を超えてさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21時30分には5月の米雇用統計が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)