東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。225円高の28,310円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に上げ幅を縮め取引開始から15分余りでマイナスに転じると下げ幅を広げ前引け間際に339円安の27,744円まで下落し330円安で前場を終えました。一段安となり409円安の27,675円でスタートした後場の日経平均は直後に451円安の27,632円まで下落した後14時10分に215円安の27,868円まで戻すと結局259円安の27,824円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は3.9%安となり年初来安値を更新しています。

2.個別銘柄等

アサヒグループホールディングス(2502)が一時12.5%高となりました。国内飲料事業の収益性改善などを受けて第1四半期の事業利益が前年同期比で78.3%増と大幅な増益となったことで一時買いを集めました。しかし、上げ幅を縮め引けは3.9%高となっています。ヤマハ発動機(7272)も9.1%高となり年初来高値を更新しました。先進国で二輪車やマリン製品の販売が伸びていることに加え、想定為替レートを円安方向に見直したことなどから2021年12月期の営業利益の見通しを1100億円から1300億円に上方修正したことが好感されました。電通グループ(4324)も3.6%高となりました。構造改革や販管費の抑制によってコストを削減したことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で16.7%増と二桁の増益となったことが評価されました。

また、発行済み株式総数の29.0%を上限とする大規模な自社株買いを発表したかんぽ生命保険(7181)も4.3%高となっています。一方でゆうちょ銀行(7182)は2022年3月期の年間配当を40円と前期の50円から減配する見通しを発表したことで8.0%安となっています。さらに三菱マテリアル(5711)も9.6%安となりました。2022年3月期の営業利益が前期比で31.7%増となる見通しを発表しましたが、市場予想を下回ったことで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は259円安となりました。米長期金利の低下を受けてハイテク株に買いが入り先週末の米国市場が大幅高となったことから買いが先行しましたが、伸び悩むとマイナスに転じ下げ幅を広げました。先週末に600円以上上げた反動もありますが、買いが続かなかったことで節目の28,000円近辺での上値の重さが意識されそうです。なお、決算発表も先週でほぼ一巡しましたが、本日も引け後にリクルートホールディングス(6098)や三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)などが決算を発表する予定です。

また、日本時間の21時30分には5月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数が発表される予定です。さらに明日は寄り付き前の8時50分に1-3月期のGDP速報値が発表される予定ですが、3四半期ぶりのマイナス成長が見込まれることから注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)