東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて4日ぶりに反発しました。275円高の27,723円で寄り付いた日経平均は498円高の27,946円まで上昇した後9時30分過ぎに一旦276円高の27,724円まで上げ幅を縮めましたが、持ち直し上げ幅を再び広げると492円高の27,940円で前場を終えました。一段高となり581円高の28,029円でスタートした後場の日経平均は14時10分過ぎに691円高の28,139円まで上昇するとその後も28,000円を上回って推移し結局636円高の28,084円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

いすゞ(7202)が21.7%高となり年初来高値を更新しました。販売の回復から2022年3月期の営業利益が1700億円になるとの見通しを発表し市場予想を大きく上回ったことで急伸しました。IHI(7013)も8.8%高となり年初来高値を更新しました。コスト削減など構造改革の成果などから2022年3月期の営業利益が前期比2.5倍の700億円になるとの見通しを発表し市場予想を大きく上回ったことで買いを集めました。また、決算発表を受けてストップ高となる銘柄がみられました。アシックス(7936)は第1四半期の決算を発表し70億から100億円とみていた2021年12月期の営業利益の見通しを115億から135億円に上方修正したことで22.5%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。バイオ医薬品メーカーのJCRファーマ(4552)も主力の遺伝子組み換え天然型ヒト成長ホルモン製剤の販売増が見込まれることから2022年3月期の営業利益が前期比2.3倍の187億円になるとの見通しを発表し市場予想を大きく上回ったことで17.8%上昇しストップ高となりました。さらにマザーズ市場では高級家電を手掛けるバルミューダ(6612)がスマートフォン事業に参入すると発表したことを材料に買いを集め17.3%上昇しストップ高となっています。

一方で2022年3月期の営業利益の見通しが市場予想を下回ったカシオ計算機(6952)や日本テレビホールディングス(9404)、セコム(9735)などが安く、カシオ計算機が6.1%安、日本テレビホールディングスが5.4%安、セコムが3.0%安となり、カシオ計算機とセコムは年初来安値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は636円高となりました。米長期金利の上昇一服を受けて幅広い銘柄に買い戻しが入り昨日の米国市場が大きく上げたことで大幅高となりました。また、昨日までの3日間で2,000円以上下げ、25日移動平均線との乖離率もマイナス6%超まで広がり短期的に売られ過ぎとなっていたこともあって自律反発狙いの買いも入りやすかったといえます。大きく上げたことで調整一巡との見方も出てきそうですが、こうしたなかで週明け以降も買い戻しの動きが続くかがポイントとなりそうです。

なお、本日は決算発表の集中日で引け後には日本郵政3社や三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)、マツダ(7261)、ホンダ(7267)、三井不動産(8801)、KDDI(9433)など多くの企業が決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には4月の米小売売上高などが発表されるうえ、22時15分には4月の米鉱工業生産指数などが、そして23時には5月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値などが発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)