ロッキード・マーチン(LMT)決算:一株利益は6.56ドルで市場予想を上回る

企業概要

ロッキード・マーチンは、世界で最大規模の防衛システム開発・製造企業である。2001年に米国国防総省と「最新鋭ステルス戦闘機F-35」プログラムの契約を締結後、欧米市場の次世代戦闘機開発で支配的地位を維持している。同社の最大部門である航空機部門は、F-35プログラムを主な事業とする。その他の事業部門には、シコルスキー・ヘリコプター事業を展開するロータリー・ミッションシステム部門、ミサイル・ミサイル防衛システムの製造を手掛けるミサイル・射撃統制部門、衛星の製造、および、衛星の打ち上げ・サービスを提供する合弁会社United Launch Alliance (ULA)からの持分利益が計上される宇宙部門がある。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第1四半期(1月-3月期)実績

★売上高・・・前年同期比4%増の162.58億ドル(市場予想は163.00億ドル)

★1株当たり利益(継続事業ベース)・・・ 6.56ドル(市場予想は6.30ドル)

★純利益・・・前年同期比7%増の18.37億ドル(市場予想は17.82億ドル)

2021通期ガイダンス

★売上高・・・673-687億ドル(従来予想は671-685億ドル、市場予想は681.5億ドル)

★1株当たり利益・・・26.40-26.70ドル(従来予想は26.00-26.30ドル、市場予想は26.34ドル)

第1四半期売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSは上回った。通期ベースの売上高ガイダンスレンジは予想を下回ったが、調整済みEPSガイダンスレンジは上回った。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

ベアトレンドを上抜いた。民主党は防衛予算削減に向かうとの見方が強まったことから、株価の動きは不振だった。その一方、バイデン政権の大型経済対策のメリットを享受することや、アーク・インベスメントの宇宙関連ETF設定により、同社株は物色された。ベアトレンドを上抜け、戻り高値更新の動き。390ドル超えから、460ドルを目指す動きとなろう。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ユナイテッド航空(UAL)決算:一株損失は7.50ドルの赤字で市場予想を下回る

企業概要

ユナイテッド航空は、定期便有償旅客マイルで世界第3位の航空会社である。サンフランシスコ、シカゴ、ヒューストン、デンバー、ロサンゼルス、ニューヨーク/ニューアーク、ワシントンDCなどを拠点(ハブ)空港としている。伝統的な競合大手に比べより海外旅行に焦点を当てハブ&スポーク型のネットワーク戦略をとっている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第1四半期(1月-3月期)実績

★営業収入・・・前年同期比60%減の32.2億ドル(市場予想は32億ドル)

★1株当たり損失(一部項目を除く)・・・7.50ドルの赤字(市場予想は7.02ドルの赤字)

19日発表した第1四半期決算は、市場予想よりも大幅な赤字となった。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で引き続き需要が低迷する中、燃料コストの上昇や運航便の減少が響いた。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

経済正常化にともない、更に上値追いとなろう。65ドル超えから、85ドルを目指す動きが予想される。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

プロクター・アンド・ギャンブル(PG)決算:一株利益は1.26ドルで市場予想を上回る

企業概要

プロクター・アンド・ギャンブルは、1837年創業の日用消費財製造世界最大手の1社である。年間売上高は700億ドルを上回る。タイド(洗濯用洗剤)、シャ-ミン(トイレットペーパー)、パンテーン(シャンプー)やパンパース(おむつ)など21の高い知名度を持つブランドを有し、これらの製品の年間売上は全世界ベースで10億ドルに及ぶ。選択と集中を進め、最後まで保有していた食品ブランドのプリングルズ(ポテトチップス)を2012年にケロッグに売却した。連結売上高のおよそ55%を事業拠点を置く米州以外の地域が占め、また、新興国市場がおよそ同売上高の3分の1を構成している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第3四半期(1月-3月期)実績

★売上高・・・前年同期比5%増の181.09億ドル(市場予想は179.63億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.26ドル(市場予想は1.19ドル)

★純利益・・・前年同期比7%増の32.69億ドル(市場予想は31.11億ドル)

2021年通期ガイダンス

★実質的な売上高の成長率・・・5%-6%増(従来予想は据え置き、市場予想は5.4%)

★コアEPS成長率・・・8%-10%増の5.53-5.63ドル(従来予想は据え置き、市場予想は5.68ドル)

第3四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。通期コア1株利益成長見通しは+8%-+10%と、従来見通し(+8%-+10%)を据え置いた。2021年1-3月期決算は、純利益が前年同期比12%増の32億6900万ドル(約3540億円)だった。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

25年以上にわたり毎年一貫して増配を実施。同社株は配当貴族指数に採用されている。ブルーウェーブによるメリット株でもある。最低賃金引上げを推し進めるバイデン政権により、購買力がついた民衆は、良く工夫された、使い勝手の良い、利便性が高い日用品の消費を増やすと考えられるからだ。今回の好決算を受け、更なる上値追いとなろう。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ネットフリックス(NFLX)決算:一株利益は3.75ドルで市場予想を上回る

企業概要

ネットフリックスは、ストリーミング動画配信事業を展開している。動画は中国を除く世界のほとんどの国で視聴することができる。自社のオリジナル作品や他社制作のコンテンツを、パソコン(PC)やインターネット対応テレビ、また、タブレット端末、コンソール型ビデオゲーム機、Apple TV、Roku TV、Chromecastなどの家電製品を通じて配信している。2011年から米国ではストリーミングとDVDの両方の視聴が可能であったプランからDVDプランが分離された。米国の会員は、ストリーミング限定プランかDVD限定プランのどちらかを選択するか、両方を視聴したい場合はふたつのプランに加入する必要がある。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第1四半期(1月-3月期)実績

★ストリーミング売上高・・・前年同期比24%増の71.6億ドル(市場予想は71.4億ドル)

★1株当たり利益・・・3.75ドル(市場予想は2.98ドル) 

第2四半期ガイダンス

★ストリーミング売上高・・・73億ドル(市場予想は73.8億ドル)

★1株当たり利益・・・3.16ドル(市場予想は2.67ドル)

20日発表した2021年1-3月期決算は、売上高が前年同期比24%増の71億6328万ドル(約7745億円)だった。純利益は前年同期比2.4倍の17億671万ドルで、ともに過去最高を更新した。ただ経済の正常化に伴い、3月末の会員数は2億764万人と同14%の増加にとどまった。

【図表10】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表11】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

20日の決算発表に伴い、同社の株価は終値を10%超下回って推移している。サービス加入者数が予想を下回っており、しばらく底値模索となろう。

【図表12】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)決算:一株利益は2.59ドルで市場予想を上回る

企業概要

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、世界最大規模で最も多角的なヘルスケア企業である。医薬品、医療機器・診断、消費者の3部門で構成されている。医薬品、医療機器・診断の部門は合わせて売上高の80%近くを占め、キャッシュフローの大半を占めている。医薬品事業部門では、免疫、腫瘍、神経、肺、心臓、代謝疾患などの領域に重点を置いている。医療機器・診断事業部門では、整形外科、手術器具、視覚ケア、およびいくつかの小さな領域に焦点を当てている。消費者事業部門は、ベビーケア、美容、口腔ケア、市販薬、および女性の健康に焦点を当てている。地理的には、米国内で総収益の約半分が生み出される。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第1四半期(1月-3月期)実績

★売上高・・・前年同期比7.9%増の223.21億ドル(市場予想は219.84億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.59ドル(市場予想は2.35ドル)

★純利益・・・前年同期比13%増の69.24億ドル(市場予想は61.96億ドル)

2021年通期ガイダンス

★売上高・・・906-916億ドル(従来予想は905-917億ドル、市場予想:921.9億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・9.42-9.57ドル(従来予想は9.40-9.60ドル、市場予想:9.50ドル)

第1四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。2021年度通期ベース売上高、及び調整済みEPSガイダンスレンジは、ともに予想を下回った。四半期配当を5%引き上げ1.06ドルにすると発表。

【図表13】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表14】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

今回の好決算を受け、更なる上値追いとなろう。167ドル超えから、180ドルを目指す動きを予想する。

【図表15】株価5年間チャート
出所:トレードステーション