東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに大幅反落となりました。329円安の29,355円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に下げ幅を大きく広げると10時10分に602円安の29,082円まで下落し534円安の29,150円で前場を終えました。549円安の29,136円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ13時30分前に671円安の29,014円まで下落するとその後やや戻し結局584円安の29,100円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

円高を受けて自動車株が軟調でした。マツダ(7261)が4.1%安となったほか、日産(7201)やホンダ(7267)、SUBARU(7270)も2%を超える下落となりました。大阪府や東京都で緊急事態宣言の発令を国に要請する動きが出ていることで百貨店株も売られました。三越伊勢丹ホールディングス(3099)と高島屋(8233)が4.0%安となり、J.フロント リテイリング(3086)も3.9%安となりました。丸井グループ(8252)も5.8%安となっています。また、電通グループ(4324)も新型コロナウイルスの感染再拡大でイベントの自粛や広告需要の減少が懸念され4.5%安となっています。さらに昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅安となった流れを受けて半導体製造装置株も軟調で、アドバンテスト(6857)が3.2%安となり、東京エレクトロン(8035)も2.3%安となっています。

一方で調剤薬局大手の日本調剤(3341)が一時5.2%高となりました。来局患者数の回復が想定を上回っていたことなどから2021年3月期の業績予想を上方修正したことが好感されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は584円安となりました。米国株安や円高に加え、緊急事態宣言への警戒感もあってこのところ底堅さをみせていた節目の29,500円を割り込んで下げ幅を大きく広げました。節目の29,000円はなんとか維持しましたが、3月下旬の調整局面でサポートとなった75日移動平均線(29,104円)をわずかに下回ってしまいました。そのため下値への警戒感が強まりそうで、明日以降も下げが続いた場合には3月下旬の調整局面でみられたように一目均衡表の雲の下限(28,817円)近辺で切り返せるかがポイントとなりそうです。なお、20日の米国ではアップル(AAPL)が新製品の発表会を行うほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)やプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、ネットフリックス(NFLX)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)