【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,035.99 △305.10 (4/15)
NASDAQ: 14,038.76 △180.92 (4/15)
1.概況
米国市場は米小売売上高が大幅な伸びとなったことや長期金利の低下を受けてハイテク株が買われたことで大幅高となり、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新しました。57ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに300ドル高程度まで上げ幅を広げた後伸び悩みましたが、大きく押すことなく堅調に推移すると取引終盤には337ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局305ドル高の34,035ドルと続伸となり9日に付けた史上最高値(33,800ドル)を更新して取引を終えています。
また、S&P500株価指数も45ポイント高の4,170ポイントと反発し13日に付けた史上最高値(4,141ポイント)を上回っています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も180ポイント高の14,038ポイントと反発し、節目の14,000ポイント台をおよそ2カ月ぶりに回復しています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は19万3000件減の57万6000件となり市場予想を大幅に上回る改善となりました。また、3月の米小売売上高も前月比9.8%増と大幅な伸びとなり市場予想を上回りました。4月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数も26.3と前月から上昇し市場予想を上回りました。4月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は50.2と前月から低下しましたが市場予想を上回っています。
一方で3月の米鉱工業生産指数は前月比1.4%の上昇に止まり市場予想を下回りました。設備稼働率も74.4%と前月から上昇したものの市場予想を下回っています。さらに2月の米企業在庫は前月比0.5%増となり市場予想と一致しています。4月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も83となり市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、不動産が2%近く上昇したほか、情報技術とヘルスケアも1%台後半の上昇となっています。一方でエネルギーと金融の2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
決算が市場予想を上回る増収増益となったユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が4%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、ダウ平均を1銘柄で95ドル押し上げています。また、ハイテク株が買われるなかグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)やアップル(AAPL)、ネットフリックス(NFLX)が2%近く上昇したほか、半導体株も高く投資判断や目標株価の引き上げを受けてアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)が5%以上上げています。さらにITのデル・テクノロジーズ(DELL)も目標株価の引き上げが相次いだことで6%を超える上昇となっています。一方で宇宙旅行のヴァージン・ギャラクティック・ホールディングス(SPCE)が創業者が保有する株式の一部を売却したことが嫌気され13%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.06%低い1.57%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。また、本日は中国で経済指標が数多く発表される予定で、日本時間の11時には1-3月期のGDPや3月の鉱工業生産指数、3月の小売売上高などが発表されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)