東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて5日ぶりに反落となりました。154円安の29,278円で寄り付いた日経平均はまもなくして267円安の29,165円まで下落した後9時40分過ぎに83円安の29,348円まで戻しましたが、再び下げ幅を広げると232円安の29,200円で前場を終えました。185円安の29,246円でスタートした後場の日経平均は13時50分過ぎに258円安の29,173円まで下落した後14時40分前に132円安の29,300円まで持ち直しました。しかし、引けにかけて下げ幅を広げると結局253円安の29,178円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が3.9%安となりました。傘下の三菱UFJ証券ホールディングスが欧州子会社で米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントとみられる顧客との取引で約3億ドルの損失が発生する可能性があると発表したことが嫌気されました。日立(6501)も7.3%安となりました。米IT企業のグローバルロジックを総額96億ドルで買収すると伝わったことで財務負担を懸念する売りが出て後場に下げ幅を広げました。イオンモール(8905)も4.6%安となりました。自社アプリを活用した販売促進によるコスト削減などを進めたことで通期の利益予想を上方修正し最終赤字が従来の40億円から19億円に縮小する見通しとなりましたが、黒字を期待する市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。ハニーズホールディングス(2792)も3.4%安となりました。第3四半期の営業利益が15億円強となり通期計画の40億円に対し進捗率が38%余りに止まったことで業績の下振れが懸念されました。

一方で西松屋チェーン(7545)が4.6%高となりました。新型コロナウイルスの感染が拡大するなか開放感のある広い店舗設計や低価格戦略が子育て世帯の来店拡大につながっていることなどから前期に続いて今期も最高益を更新する見通しを発表したことが評価されました。また、トヨタ(7203)も110円台後半まで円安が進んだことで買われ3.0%高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は253円安となりました。米長期金利が一時1年2ヶ月ぶりの水準に上昇したことでハイテク株に売りが出て昨日の米国市場が下落となったことで売りが優勢となりました。年度末を上昇で終えることができなかったことはやや残念ですが、4月は海外投資家が現物株を買い越すことが多い月で相場が上がりやすいことからまずは幸先のよいスタートを期待したいところです。

なお、日本時間の21時15分に3月のADP全米雇用リポートが、そして22時45分に3月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表されるほか、今晩の米国ではバイデン米大統領が演説で総額4兆ドル規模になるとみられるインフラ投資を中心とした新たな経済対策を発表する予定で注目されます。また、明日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定でこちらも注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)