東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に4日続伸となりました。日経平均は19円安の29,365円と小幅に下落して寄り付きましたが、まもなくしてプラスに転じると9時20分過ぎには93円高の29,478円まで上昇しました。しかし、買いが続かずマイナスに転じると10時50分前に100円安の29,283円まで下落しましたが、下げ幅を縮めると15円安の29,369円で前場を終えました。プラスに転じ16円高の29,401円でスタートした後場の日経平均は昨日終値を挟んで小幅に揉み合いましたが、引けにかけてやや買いが優勢になると結局48円高の29,432円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

新型コロナウイルスのワクチン普及による経済正常化への期待から日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が高く、日本航空が2.5%高、ANAホールディングスが3.5%高となりました。エジプトのスエズ運河で座礁した大型コンテナ船の離礁が成功したことから海運株も高く、日本郵船(9101)が3.6%高、商船三井(9104)が2.9%高、川崎汽船(9107)が5.2%高となりました。

コマツ(6301)も3.8%高となりました。宇宙関連銘柄に投資する米資産運用会社の上場投資信託(ETF)にコマツが組み入れられることが開示資料で判明したことが材料視されました。USEN-NEXT HOLDINGS(9418)も2.9%高となりました。子会社のU-NEXTが米AT&T(T)傘下のワーナーメディアと日本での動画配信で独占契約を結び手薄だった海外ドラマを増やして有料会員の拡大を目指すと伝わったことが好感されました。また、国内大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたことを受けて産業廃棄物大手のダイセキ(9793)が6.2%高となり上場来高値を更新しています。

一方で楽天(4755)が2.9%安となりました。米IBM(IBM)が楽天のウェブサイトとモバイルアプリが自社技術を無断で使用し4件の特許を侵害しているとして提訴したと伝わったことが嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は48円高となりました。配当落ちの影響もあり売りが優勢となる場面もありましたが、新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から昨日の米国市場でダウ平均が3日続伸となり史上最高値を更新したこともあって小幅に上昇となりました。TOPIXは配当落ちの影響もあって下落となりましたが、日経平均が180円弱とみられる配当落ち分を埋め切ったことから相場は強いといえそうで、年度最終日となる明日の取引にも期待が持てそうです。また、明日は日本時間の10時に中国の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)