【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  32,825.95   ▼127.51  ( 3/16 )
NASDAQ:  13,471.57   △11.86  ( 3/16 )

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は冴えない経済指標が目立ったこともあって景気敏感株に利益確定売りが出て反落となりましたが、ナスダック総合株価指数は主力ハイテク株に買いが入り続伸となりました。

ダウ平均は13ドル高と上昇してスタートしましたが直ぐにマイナスに転じると下げ幅を広げ昼過ぎに175ドル安まで下落しました。その後やや持ち直したダウ平均ですが取引終了まで軟調に推移すると結局127ドル安の32,825ドルで取引を終え8日ぶりに反落となっています。また、S&P500株価指数も6ポイント安の3,962ポイントとなり6日ぶりに反落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は11ポイント高の13,471ポイントと続伸となっています。

2.経済指標等

2月の米小売売上高は前月比3.0%減となり市場予想を下回りました。2月の米鉱工業生産指数も前月比2.2%低下し市場予想を下回りました。設備稼働率も73.8%と前月から低下し市場予想を下回っています。また、3月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も82となり市場予想を下回りました。一方で2月の米輸入物価指数は前月比1.3%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比1.6%上昇し市場予想を上回っています。1月の米企業在庫は前月比0.3%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、エネルギーが3%近く下落したほか、資本財・サービスと金融も1%以上下げています。一方でコミュニケーション・サービスや情報技術などの4業種が上げ、コミュニケーション・サービスは1%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではアムジェン(AMGN)が2%近く上げたほか、インテル(INTC)とアップル(AAPL)、ホーム・デポ(HD)、マイクロソフト(MSFT)も1%を超える上昇となりました。一方でボーイング(BA)が4%近く下げ、アメリカン・エキスプレス(AXP)とシェブロン(CVX)、ハネウェル・インターナショナル(HON)も2%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、小児向けの新型コロナウイルスワクチンの治験を開始したと発表したバイオ製薬のモデルナ(MRNA)が8%以上上げました。また、半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)も目標株価の引き上げを受けて3%近く上昇し、スターバックス(SBUX)も投資判断の引き上げを受けて2%以上上げています。電気トラックのニコラ(NKLA)は公募増資で最大1億ドルを調達すると発表したことで7%余り下げています。 

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.62%となりました。ドル円は109円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなり買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて様子見となりやすいなかで日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)