東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に5日続伸となりました。日経平均は86円高の29,804円で寄り付くと取引開始から5分弱でマイナスに転じましたが、25円安の29,692円で下げ渋ると切り返し9時30分過ぎに166円高の29,884円まで上昇しました。その後9時40分過ぎにわずかにマイナスとなる場面もありましたが、底堅さをみせると持ち直し97円高の29,815円で前場を終えました。上げ幅を縮め12円高の29,730円でスタートした後場の日経平均はまもなくしてマイナスに転じ47円安の29,670円まで下落した後14時過ぎに71円高の29,789円まで戻すと結局49円高の29,766円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となった一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。
2.個別銘柄等
楽天(4755)が24.1%上昇しストップ高となり昨年来高値を更新しました。日本郵政(6178)と資本業務提携すると伝わったことで先週末も8%以上上昇しましたが、物流の効率化や携帯電話、金融など幅広い分野での協業を進めると発表したことで買いを集めました。日本郵政も2.5%高となり昨年来高値を更新しています。また、週末の米国市場で景気回復期待から景気敏感株が買われた流れを引き継ぎ日本市場でも鉄鋼株や海運株などの景気敏感株が物色されました。日本製鉄(5401)が2.7%高、JFEホールディングス(5411)が3.5%高となり、日本製鉄が昨年来高値を更新したほか、日本郵船(9101)が4.7%高、商船三井(9104)が2.7%高、川崎汽船(9107)が7.0%高となり、大手海運3社は揃って昨年来高値を更新しています。さらに週末の米国市場で空運株が大幅高となったことで日本航空(9201)とANAホールディングス(9202)も買われ、日本航空が3.8%高、ANAホールディングスが4.4%高となっています。一方で美顔器大手のヤーマン(6630)が急落し11.5%安となりました。第3四半期の営業利益が前年同期比で2.4倍となり、通期予想に対する進捗率も9割を超えましたが、上方修正がなかったことが失望されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は49円高となりました。先週末に500円以上上げたこともあって利益確定の売りに押されて小幅にマイナスとなる場面もありましたが、先週末の米国市場で景気回復期待から景気敏感株が買われダウ平均とS&P500株価指数が連日で史上最高値を更新したこともあって底堅さをみせると買いが優勢となりました。しかし、朝方に160円以上上昇し高値を付けた後は先週末の米長期金利が上昇しハイテク株に売りが出てナスダック総合株価指数が下落となったことや、今週に米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えていることもあって伸び悩みました。今週はこうしたなかで30,000円の大台を回復できるかがポイントとなりそうです。なお、米国市場は今晩から夏時間での取引となりますが、日本時間の21時30分には3月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数の発表が予定されています。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之 )