【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,297.02  △464.28 (3/10)
NASDAQ: 13,068.83  ▼4.99 (3/10)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。米下院が1.9兆ドル規模の追加経済対策を再可決したことで経済対策が成立する見通しとなり景気敏感株が買われたことでダウ平均とS&P500株価指数が続伸となり、ダウ平均は史上最高値を更新しましたが、半導体株などハイテク株の一角が軟調でナスダック総合株価指数は小幅に反落となりました。74ドル高でスタートしたダウ平均は上げ幅を大きく広げ取引終盤に556ドル高まで上昇した後引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局464ドル高の32,297ドルと4日続伸となり2月24日に付けた史上最高値(31,961ドル)を上回って取引を終えています。また、S&P500株価指数も23ポイント高の3,898ポイントとなり続伸となっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4ポイント安の13,068ポイントと反落となりました。

2.経済指標等

2月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.7%上昇し市場予想と一致しました。また、変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比1.3%上昇に止まり市場予想を下回っています。さらに2月の米財政収支の赤字額は3109億2200ドルとなり2月としては過去最大となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術を除く10業種が上げました。そのなかでもエネルギーが2%を超える上昇となったほか、金融も2%近く上げました。また、素材と資本財・サービス、生活必需品も1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもボーイング(BA)が6%以上上げ上昇率トップとなりダウ平均を1銘柄で100ドル近く押し上げたほか、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も4%を超える上昇となりました。また、ゴールドマン・サックス(GS)も3%を上回り上昇となり、IBM(IBM)とダウ(DOW)も3%近く上げています。一方で小型スマホのiPhone12miniの減産に踏み切ると伝わったアップル(AAPL)が1%近く下げ下落率トップとなりました。ダウ平均構成銘柄以外では銀行大手のウェルズ・ファーゴ(WFC)が目標株価の引き上げを受けて4%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は変わらずの1.52%となりました。ドル円は108円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が史上最高値を更新したことから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)