東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅反発となりました。日経平均は30,000円の大台を回復し405円高の30,077円で寄り付くと直後に372円高の30,044円までやや弱含みましたが、直ぐに切り返し上げ幅を広げると10時前に541円高の30,213円まで上昇し484円高の30,156円で前場を終えました。498円高の30,169円でスタートした後場の日経平均は13時20分過ぎに408円高の30,079円まで上げ幅を縮めましたが、その後戻すと結局496円高の30,168円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が大幅反発となったことからソフトバンクグループ(9984)が3.8%高となりました。また、日経平均が大幅高となるなか指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)も2.4%高となったほか、ファナック(6954)も5.6%高となりました。ファーストリテイリングは上場来高値を更新し、ソフトバンクグループとファーストリテイリング、ファナックの3銘柄で日経平均を228円押し上げています。

また、三井物産(8031)が3.1%高となり昨年来高値を更新しました。500億円を上限とする自社株買いを発表したことが材料視されました。ニトリホールディングス(9843)も3.3%高となりました。在宅勤務需要継続によりホームオフィス家具の需要が伸びたことなどで2月の既存店売上高が前年同月比10.3%増と大きく伸びたことが好感されました。SUMCO(3436)も国内大手証券が目標株価を引き上げたことで5.1%高となり昨年来高値を更新しています。

一方でスズキ(7269)が経営トップを40年以上務めた鈴木修会長が退任すると発表したことで3.3%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は496円高となりました。新型コロナウイルスワクチンの普及で米経済が正常化に向かうとの期待から昨日の米国市場が大幅高となり、ダウ平均が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。昨日は下げ幅を広げ安値引けとなり後味の悪い終わりとなったことで調整入りを心配する見方も一部にあったと思われますが、本日大幅高となり昨日に割り込んだ30,000円の大台を回復し昨日の下げを全て取り戻す格好となったことでそうした懸念も一旦は払拭されたといえそうです。

なお、日本時間の22時30分には2020年10-12月期の米GDP改定値や米新規失業保険申請件数、1月の米耐久財受注額などが発表される予定です。また、25日の米国ではセールスフォース・ドットコム(CRM)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)