米国金利上昇局面で、過去の株価はどう動いたのか

今週月曜日(2月22日)に米国株市場が下落した理由の一つとして、金利の上昇も挙げられていました。しかし、2010年からの米国10年債の利回り上昇の期間においては、必ずしも金利が上昇している期間に株価が下落しないという事実が散見されています。勿論、マーケットはサプライズを嫌いますから、金利が突然急上昇すると一時的に株価にショックを与えることはあるのだと思います。

歴史の事実を確認すると、以下の図表は2010年からのものですが、今までの13回の金利上昇の局面で株価が下落したのは1回だけであり、この13回の金利上昇期間の株価のS&P500のパフォーマンスは平均で10.1%の上昇となっています。

【図表】
出所:マネックス証券

 

特に2021年においては、コロナ対策としてバイデン大統領が推進する1.9兆ドルの経済対策法案が、最悪でも1.9兆ドルに近い形で法案が通過する可能性が高く、米国経済に好影響を与え、間接的に米国企業業績にもプラスの影響を与えると考えられます。

この場合金利も上昇することになろうとは思いますが、企業業績に与える好影響が金利の上昇を相殺し、最終的には株価を押し上げる要因になるのではないかと思っています。

長期投資で失敗しないために

長期投資で失敗しないためには、もっともらしく市場に出回っている「金利が上がると株が下がる」というコメントについては、過去の事実の精査をした上で判断する必要があるのではないかと思います。