東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに反発となりました。日経平均は263円高の30,281円で寄り付くと取引開始から1時間余りで440円高の30,458円まで上昇しましたが、上げ幅を縮め232円高の30,250円で前場を終えました。さらに上げ幅を縮め169円高の30,187円でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に71円高の30,089円まで弱含みましたが、切り返すと13時30分過ぎには288円高の30,306円まで持ち直しました。しかし、その後引けにかけて上げ幅を縮めると結局138円高の30,156円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

半導体製造装大手の米アプライドマテリアルズ(AMAT)の好決算を受けて半導体製造装置関連銘柄を買う流れが本日も続き、東京エレクトロン(8035)が6.3%高となり上場来高値を更新したほか、アドバンテスト(6857)も2.0%高となり昨年来高値を更新しました。SCREENホールディングス(7735)も3.5%高、レーザーテック(6920)も2.6%高となっています。

また、新型コロナウイルスのワクチン普及期待から先週末の米国株式市場でアメリカン航空(AAL)やユナイテッド航空(UAL)などの空運株が大幅高となった流れを引き継ぎ日本市場でも空運株が高く、日本航空(9201)が5.7%高となり、ANAホールディングス(9202)も5.4%高となりました。

西松屋チェーン(7545)も一時3.3%高となる場面がありました。冬物衣料を中心に当初価格での販売が進み値下げロスが抑えられたことで通期の営業利益の見通しを引き上げたことが好感されました。上げ幅を縮め引けは0.3%高となっています。さらにロンドン金属取引所で銅先物価格がおよそ9年5カ月ぶりの高値を付けたことで住友金属鉱山(5713)が7.1%高となり昨年来高値を更新し、国内大手証券が目標株価を引き上げたことで横浜ゴム(5101)も8.9%高となっています。

一方で2部市場ではツインバード工業(6897)が売られました。米ファイザー(PFE)社が新型コロナウイルスのワクチンについて米食品医薬品局(FDA)に従来よりも高い温度での保管が可能だとするデータを提出したと発表したことで超低温冷凍庫を手掛けるツインバード工業が5.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は138円高となりました。先週末の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな売り材料に乏しかったことで買いが優勢となりました。また、16日に6%近くまで広がった25日移動平均線との乖離率がその後の下げで3%台半ばまで低下していたこともあって買いが入りやすかったといえます。本日は明日が休場ということもあって16日に付けた高値(30,467円)を前に上値が伸び悩むと上げ幅を縮めましたが、短期的な過熱感が一旦解消されるなかで休場明け以降に再び高値を試すような展開がみられるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の23日午前0時には米景気先行指数が発表されるほか、24日午前0時には米コンファレンスボード消費者信頼感指数の発表が予定されています。また、23日の米国ではスクエア(SQ)やホーム・デポ(HD)が決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)