【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,613.02  △90.27 (2/17)
NASDAQ: 13,965.50  ▼82.00 (2/17)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はFOMC議事要旨を受けて金融緩和が長期化するとの観測から3日続伸となり史上最高値を更新しましたが、長期金利が高止まりしていることでハイテク株の一角に売りが出てS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は続落となりました。37ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に183ドル安まで下落しましたが、持ち直すと取引終盤に上げ幅を広げ引け間際には120ドル高まで上昇し結局90ドル高の31,613ドルで取引を終え3日連続で史上最高値を更新しています。一方でS&P500株価指数が1ポイント安の3,931ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も82ポイント安の13,965ポイントとなっています。

2.経済指標等

1月の米小売売上高は前月比5.3%増となり市場予想を大きく上回りました。1月の米卸売物価指数(PPI)も前月比1.3%上昇し市場予想を上回りました。1月の米鉱工業生産も前月比0.9%上昇し市場予想を上回っています。設備稼働率も75.6%と前月から上昇し市場予想を上回りました。また、2020年12月の米企業在庫も前月比0.6%増となり市場予想を上回りました。2月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も84となり市場予想を上回っています。

さらに1月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では労働市場の回復ペースの鈍化などを理由に米景気回復は米連邦準備理事会(FRB)の目標とする水準にはほど遠いとの認識で一致していたことが明かとなりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスなどの8業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。一方で情報技術と資本財・サービス、素材の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRK)が株式を新たに取得したことが明らかとなったベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とシェブロン(CVX)が買われ、ベライゾン・コミュニケーションズが5%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、シェブロンも3%近く上げダウ平均構成銘柄でベライゾン・コミュニケーションズに次ぐ上昇率となっています。また、バークシャー・ハザウェイが株式を買い増したブリストル・マイヤーズスクイブ(BMY)やメルク(MRK)も買われ、ブリストル・マイヤーズスクイブが2%高となり、メルクも2%近く上げています。一方でバークシャー・ハザウェイが保有株を減らしたアップル(AAPL)が2%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。

さらにネット通販支援のショッピファイ(SHOP)が3%以上下げました。決算は市場予想を上回りましたが、2021年はワクチン普及で実店舗での消費回復から業績が伸び悩むとの見通しを示したことが嫌気されました。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%低い1.27%となりました。ドル円は105円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が続伸となり史上最高値を更新したこともあって堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)