エスティ ローダー(EL)決算:一株利益は2.61ドルで市場予想を上回る

企業概要

エスティ ローダーは、美容市場における世界的なリーダーで、スキンケア(2020年度売上高の52%)、メイクアップ(33%)、フレグランス(11%)、ヘアケア製品(4%)を手掛ける。エスティ ローダーの他、クリニーク、M・A・C、 ドゥ・ラ・メール、Jo Malone、 アヴェダ、ボビイブラウン、Too Faced、オリジンズなど複数のブランドを傘下に抱える。150カ国以上で事業を展開し、収益に占める割合は、米州が27%、欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域が44%、アジア太平洋地域が30%となっている。百貨店、旅行小売店、マルチブランドの専門美容店舗、ブランド専用自立型店舗、電子商取引、サロンやスパ、香水店を通じて商品を販売する。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第2四半期(10月-12月期)実績

★売上高・・・前年同期比5%増の48.53億ドル(市場予想は44.80億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.61ドル(市場予想は1.68ドル)

★純利益・・・前年同期比24%増の9.60億ドル(市場予想は6.14億ドル)

★営業利益・・・前年同期比307%増の10.6億ドル(市場予想は8.37億ドル)

★EBITA・・・前年同期比26%増の14.95億ドル(市場予想は10.05億ドル)

第3四半期ガイダンス

★売上高成長率・・・13%-14%増

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.10-1.20ドル(市場予想は1.45ドル)

第2四半期売上高、調整済みEPSともに予想を上回った。続く第3四半期調整済みEPSガイダンスレンジは予想を下回った。今年下半期に自社株買戻し再開計画を公表。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

今回の決算を受け、同社株は一気に新値を更新した。新製品の発売と広告宣伝の強化によって、高額所得層の需要の取り込みが評価された。この動きがしばらく続こう。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ゼネラル・モーターズ(GM)決算:一株利益は1.93ドルで市場予想を上回る

企業概要

ゼネラル・モーターズは、旧GMの経営破綻後、2009年7月に新生GMとして再建された。GM北米(GMNA)、GMインターナショナル・オペレーションズ(GMIO)、クルーズ、GMファイナンシャルの4部門からなり、7ブランドを展開する。現在GM北米で4ブランドを手掛けている(旧GMでは8ブランドであった)。2020年の北米市場で約17.3%と業界屈指のシェアを誇る。アメリクレジットを買収して2010年10月にGMファイナンシャルが設立され、自動車ローンを手掛ける金融子会社となった。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(10月-12月期)実績

★売上高・・・前年同期比22%増の375.18億ドル(市場予想は358.80億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.93ドル(市場予想は1.57ドル)

★純利益・・・前年同期比3800%増の28.08億ドル(市場予想は21.02億ドル)

★EBIT(調整後)・・・37億ドル

2021年度通期ガイダンス

★1株当たり利益・・・4.50-5.25ドル (市場予想は5.99ドル)

★自動車部門のフリーキャッシュフロー(調整後)・・・10-20億ドル

★資本支出・・・90-100億ドル

第4四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。21年度通期ベース調整済みEPSガイダンスレンジは予想を下回った。同社は売上高が10.7%減の1224億8500万ドル(約12兆8000億円)、純利益は4.5%減の64億2700万ドル。コロナ禍を受け、昨春に北米の工場で生産停止を迫られたほか、年前半を中心に販売が大きく落ち込んだ。

ただ、年後半はピックアップトラックなど利幅の大きい大型車を中心に需要が持ち直した。今年は世界的な半導体不足が業績の不透明要因となっている。GMは「影響は短期的」としながらも、今年の調整後EBIT(税・利払い前利益)を15億-20億ドル程度押し下げるとの見方を示した。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

同社株はEVへの軸足移行や空飛ぶ自動車の期待を背景に、新たな上昇波動に入ってきた。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ペイコム・ソフトウェア(PAYC)決算:一株利益は84セントで市場予想を上回る

企業概要

ペイコム・ソフトウェアは、人事管理ソリューションを、26,500社を超える小規模・中規模事業者にクラウドベース(SaaS)で提供する急成長中のソフトウェア会社である。人材獲得、労働管理、給与、人材マネジメント、人事管理など顧客企業の従業員の採用から退職までの全雇用ライフサイクルをカバーするソリューションをウェブを通じて提供している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(10月-12月期)実績

★売上高・・・前年同期比14%増の2.21億ドル(市場予想は2.13億ドル)

★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・84セント(市場予想は79セント)

★調整済みEBTDA…8420万ドル(市場予想は7710万ドル)

★粗利益率…85.5%(市場予想は85.0%)

第1四半期(1月-3月期)ガイダンス

★売上高…2.70-2.72億ドル(市場予想は2.70億ドル)

★調整済みEBTDA…1.26-1.28億ドル(市場予想は1.25億ドル)

通期ガイダンス

★売上高…10.1億ドル(市場予想は10億ドル)

★調整済みEBTDA…3.96-3.98億ドル(市場予想は3.99億ドル)

通期の調整済みEBITDAガイダンスレンジのみ予想を下回った。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

概ね決算内容はしっかりで成長が評価されている模様。今後は次四半期以降の業績の伸びに着目。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

アンダー・アーマー (UAA)決算:一株利益は12セントで市場予想を上回る

企業概要

アンダー・アーマーは、北米や他の地域でスポーツ用アパレルおよびフットウエアの開発、マーケティング、卸売を手掛ける。アパレルの顧客には、プロやアマチュアのアスリート、スポンサーを務める大学や専門家のチーム、アクティブなライフスタイルを志向する人々が含まれる。卸売販売、およびe-コマース、400店近くのファクトリーハウスやブランドハウスなどの直接販売(D2C)チャネルを通じて商品を販売している。また、2億人を超えるユーザーを持つデジタルフィットネス・アプリも展開している。1996年に設立、ボルチモアに本拠を置く。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(10月-12月期)実績

★売上高・・・前年同期比2.6%減の14.04億ドル(市場予想は12.63億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・12セント(市場予想は6セントの赤字)

★純利益・・・前年同期比17%増の5450万ドル(市場予想は2735万ドルの赤字)

★粗利益率(調整後)・・・50.3%

2021年通期ガイダンス

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・12-14セント(市場予想は14セント)

2020年10-12月期決算で、事前の市場予想に反して1株損益が黒字を確保し、好感する買いを集めた。10-12月期の売上高は前年同期比2.6%減の14億300万ドルとなり、市場予想(12億7000万ドル)を上回った。販管費などの伸びを抑えたことで、特別項目を除く1株損益は0.12ドルの黒字と0.06ドルの赤字を見込んでいた市場予想から一転して黒字を確保した。あわせて公表した21年12月期通期は、売上高が1桁台後半の増収、特別項目を除く1株利益は0.12-0.14ドルを見込む。いずれも市場予想(12.3%増、0.14ドル)を下回る見通しだ。

【図表10】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表11】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

2015年から強いベアトレンド下にあったが、トレンド転換。このトレンドはしばらく続くだろう。

【図表12】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

コカ・コーラ(KO):一株利益は47セントで市場予想を上回る

企業概要

コカ・コーラは、世界最大のノンアルコール飲料会社である。コカ・コーラ、ファンタ、スプライトなどの炭酸飲料や、ミニッツメイド、ジョージアコーヒー、グラソーなどの非炭酸飲料を販売している。自社の飲料に使用する濃縮原液(あるいは飲料ベース)の製造など、サプライチェーンの初期段階での製品製造事業に注力している。製造した製品はその後、100社を超えるボトラーにより加工され販売される。濃縮原液事業がユニットケース販売量の85%(2018年度)を占める。英国のコーヒーチェーン市場でリーダー的地位にあるコスタの買収によって、ホット・ドリンク市場でのプレゼンスが拡大した。全社売上高の大半が海外で生み出されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

第4四半期(10月-12月期)実績

★営業売上高・・・前年同期比5%減の86.03億ドル(市場予想は86.43億ドル)

★継続事業ベース1株当たり利益(一部項目を除く)・・・47セント(市場予想は42セント)

★純利益・・・前年同期比6%増の20.22億ドル(市場予想は18.16億ドル)

★営業利益・・・前年同期比8%増の23.4億ドル(市場予想は21.78億ドル)

2021年通期ガイダンス

★営業売上高成長率・・・1桁後半

★フリーキャッシュフロー・・・85億ドル

第4四半期売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSは上回った。2020年10-12月期決算は、純利益が前年同期比29%減の14億5600万ドル(約1520億円)だった。事業部門の再編や人員削減、商品の品目数の半減といった構造改革を進める中で一時的損失を計上した。

売上高は同5%減の86億1100万ドルだった。20年末にかけて新型コロナウイルスの感染が再拡大し、世界各地での外出制限や商業施設の閉鎖が需要を押し下げた。

【図表13】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表14】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

株価は急速に戻りを試しているがペプシコに比べると上昇率は低く、高値までは時間がかかりそうだ。

【図表15】株価5年間チャート
出所:トレードステーション