【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 31,458.40 △27.70 (2/12)
NASDAQ: 14,095.47 △69.70 (2/12)
1.概況
先週末の米国市場はバイデン米大統領がファイザー(PFE)とモデルナ(MRNA)との間で新型コロナウイルスワクチンの追加供給で契約を結んだと発表したことでワクチン普及への期待が高まり上昇し、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。9ドル安でスタートしたダウ平均は直後に40ドル高余りまで上昇しましたが、買いが続かず上げ幅を縮めると下落に転じました。その後プラスとなる場面もありましたが、前日の終値を小幅に上回ったところで上値が押さえられると昼過ぎに82ドル安まで下落するなど軟調な展開が続きました。しかし、引けにかけて持ち直しプラスに転じると結局27ドル高の31,458ドルで取引を終え10日に付けた史上最高値(31,437ドル)を更新しています。
また、S&P500株価指数も18ポイント高の3,934ポイントとなり前日に続いて史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も69ポイント高の14,095ポイントとなりこちらも前日に付けた史上最高値を上回っています。
2.経済指標等
2月の米ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は76.2と前月から低下し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げました。そのなかでもエネルギーと素材が1%以上上昇したほか、金融も1%近く上げています。一方で公益事業と不動産の2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
半導体株への買いが続きインテル(INTC)が2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、長期金利の上昇を受けてJPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)も1%を超える上昇となりました。さらにアメリカン・エキスプレス(AXP)も1%高となり、アムジェン(AMGN)も1%近く上げています。
一方でウォルト・ディズニー(DIS)が1%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。決算は市場予想を上回りましたが、上昇基調が続いていたこともあって利益確定の売りに押されました。また、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も1%を超える下落となり、ナイキ(NKE)も1%近く下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.05%高い1.21%となりました。ドル円は105円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が10日に付けた昨年来高値(29,562円)を引けで上回ることができるかがポイントとなりそうです。また、本日は取引開始前の8時50分に2020年10-12月期のGDP速報値が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)