【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,430.70  ▼7.10 (2/11)
NASDAQ: 14,025.77  △53.24 (2/11)

1.概況

10日の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は追加の経済対策や金融緩和長期化への期待から反発し史上最高値を更新したものの、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は利益確定の売りに押され下落となりました。52ドル高でスタートしたダウ平均は直後に130ドル高余りまで上昇した後上げ幅を縮めるとマイナスに転じ154ドル安まで下落しましたが、持ち直すとプラスとなり取引終盤には135ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局61ドル高の31,437ドルとなり8日に付けた史上最高値(31,385ドル)を更新して取引を終えています。一方でS&P500株価指数が1ポイント安の3,909ポイントと続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も35ポイント安の13,972ポイントと5日ぶりに反落となっています。

昨日の米国市場も小幅に高安まちまちとなりました。利益確定の売りが出てダウ平均は下落となりましたが、半導体株の上昇に支えられS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は上昇し史上最高値を更新しました。ダウ平均は28ドル高でスタートすると朝方に106ドル高まで上昇しましたが、買いが続かず上げ幅を縮めるとマイナスに転じ昼過ぎに193ドル安まで下落しました。その後持ち直したダウ平均ですが戻し切れず結局7ドル安の31,430ドルで取引を終え反落となっています。一方でS&P500株価指数が6ポイント高の3,916ポイントと3日ぶりに反発し8日に付けた史上最高値(3,915ポイント)を更新したほか、ナスダック総合株価指数も53ポイント高の14,025ポイントと反発し9日に付けた史上最高値(14,007ポイント)を上回っています。

2.経済指標等

10日に発表された1月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.4%上昇に止まり市場予想を下回りました。変動の激しいエネルギーと食品を除くコア指数も前年同月比1.4%上昇に止まり市場予想を下回っています。また、2020年12月の米卸売在庫は前月比0.3%増となり市場予想を上回りました。卸売売上高も前月比1.2%増となりこちらも市場予想を上回っています。1月の米財政収支は1630億ドルの赤字となりました。

昨日に発表された先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比1万9000件減の79万3000件となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。

3.業種別動向

10日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや素材、資本財・サービスなどの6業種が下げ、一般消費財・サービスは1%近く下落しました。一方でエネルギーやコミュニケーション・サービス、不動産などの5業種が上げ、エネルギーは2%近く上昇しています。

昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや公益事業、生活必需品などの7業種が下げ、エネルギーは1%以上下落しました。一方で情報技術やヘルスケアなどの4業種が上げ、情報技術は1%余り上昇しています。

4.個別銘柄動向

10日の米国市場ではツイッター(TWTR)が急伸し13%余り上昇しました。市場予想を上回る増収となった決算を受けて目標株価の引き上げが相次いだことで買いを集めました。また、画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)もビットコインなどの暗号資産価格の上昇を受けて採掘(マイニング)向けの半導体需要が増えるとの見方から3%を超える上昇となり上場来高値を更新しています。一方でシスコシステムズ(CSCO)が2%を超える下落となりました。決算は市場予想を上回りましたが、決算説明会で事業環境が厳しいとの見方が示されたことが嫌気されました。

昨日の米国市場ではバイデン政権が自動車生産に影響を及ぼしている半導体不足への対策をまとめる方針を示したことで半導体株が買われました。インテル(INTC)とエヌビディア(NVDA)が3%以上上昇したほか、マイクロン・テクノロジー(MU)とウエスタンデジタル(WDC)も5%以上上げています。半導体製造装置関連株も高くアプライドマテリアルズ(AMAT)が6%以上上げ、ラムリサーチ(LRCX)も7%%を超える上昇となりました。また、暗号資産のビットコインの上昇を受けてビットコイン取引サービスを手掛ける決済サービスのスクエアも(SQ)も3%以上上げています。

5.為替・金利等

10日の長期金利は0.04%低い1.12%となりました。昨日の長期金利は0.04%高い1.16%となりました。ドル円は104円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が連日で高安まちまちとなり買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が底堅さをみせ切り返すような展開となるかがポイントとなりそうです。また、本日は決算発表の集中日で700社を超える企業が決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)