【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  30,687.48   △475.57  ( 2/2 )
NASDAQ:  13,612.78   △209.38  ( 2/2 )

1.概況

米国市場は市場の混乱を引き起こしていた個人の投機的取引への懸念が後退したほか、バイデン大統領の掲げる1.9兆ドルの経済対策を民主党が財政調整法を活用して単独で成立させる準備を進めていると伝わったことで追加の経済対策への期待が高まったことから景気敏感株を中心に買いが入り大幅続伸となりました。

ダウ平均は64ドル高でスタートすると大きく上げ幅を広げ昼過ぎに628ドル高まで上昇しました。その後も高値圏で堅調に推移したダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局475ドル高の30,687ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も209ポイント高の13,612ポイントとなっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも金融と資本財・サービス、一般消費財・サービスが2%以上上昇したほか、コミュニケーション・サービスと素材、情報技術、エネルギーも1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでも長期金利の上昇を受けてゴールドマン・サックス(GS)が4%以上上昇したほか、JPモルガン・チェース(JPM)も3%余り上げました。キャタピラー(CAT)も4%を超える上昇となり、ウォルト・ディズニー(DIS)とダウ(DOW)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%を上回る上昇となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、物流大手のUPS(UPS)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで2%以上上げています。電気自動車のテスラ(TSLA)も目標株価の引き上げを受けて4%近く上昇しました。また、取引終了後に決算を発表したグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)は売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で大きく上げています。

一方で中国の電子商取引最大手のアリババ集団(BABA)が4%近く下げました。決算は市場予想を上回りましたが、2020年11月に上場延期を発表した傘下の金融会社アントについて先行きや上場計画の見通しは不透明感が強いとの見方を示したことが嫌気されました。さらに個人投資家の投機的な取引の対象となっていたゲーム専門店のゲームストップ(GME)が60%安となったうえ、映画館運営のAMCエンターテインメント・ホールディングス(AMC)も41%余り下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.10%となりました。ドル円は105円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,500円を回復して27日と28日に開けた窓(28,542円-28,360円)を埋めることができるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)