◆ゴルフのパッティングで俗に「プロライン」「アマチュアライン」と言われるものがある。アマラインとは、カップの手前でボールが逸れていくラインであり、プロラインはその反対にカップを過ぎてから曲がっていく。どうしてそうなるか。プロはグリーンの傾斜などを厳しめに見積もるので、「思ったより切れなかった」となることが多いのに対して、アマの読みは甘いので「思ったより切れて」外れてしまう。アマはボールの回転が弱いのでグリーンに負けて曲がってしまうということもあるだろう。
◆どちらも読みを外すことには違いないのだが、プロラインは読み間違いでもグリーンが遅かったりした場合にはカップインの可能性があるのに対して、アマラインは絶対に入らない。カップに届かないからだ。過ぎたるは及ばざるがごとし、とは言うが、ゴルフのパッティングに関しては当てはまらない。そもそもカップに届かなければ話にならないのである。(上級者は初めから2パット狙いで上りのラインを残すために意図的にアマラインに打つこともあるが、そういう話はここでは例外とする)
◆スポーツでは思い切りが大事だ。三振が怖くてフルスイングできず当てにいくバッティングではヒットにならない。結局アウトなら同じだ。ピッチャーがコントロールを気にするあまり腕が振れなければ「置きにいく」ボールになって打たれる。ラグビーのタックルも当たりが弱ければかえって怪我をする確率が高くなる。プロラインもフルスイングも、つまりは強気でいくということだ。これはスポーツに限った話ではなく勝負事全般について言える。もちろん勝負事には「休む」「降りる」も大事だが、「いく時」は強気で臨む、ということである。
◆日本経済新聞社の企画で日経平均の先行きを占う「日経平均ダービー」というものがある。電子版などで掲載されているが昨年末の予想でプロの部第1位に選ばれた。コロナで激動だった2020年、その年最後の終値をうまく当てることができてうれしい反面、残念でもある。日経平均の昨年末の終値は2万7444円。僕の予想は2万7200円。僕の予想は年末終値に届いていない。これでは、アマラインじゃないか!読みが甘かったということである。