東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて大幅反落となりました。日経平均は465円安の28,169円でスタートすると売り気配の銘柄が順次寄り付くなかで下げ幅を広げ取引開始から3分で659円安の27,975円まで下落しましたが、朝方の売りが一巡すると持ち直し10時50分過ぎに274円安の28,360円まで下げ幅を縮め312円安で前場を終えました。362円安の28,272円でスタートした後場は再び下げ幅を広げると13時40分前に503円安の28,131円まで下落しました。その後やや戻した日経平均ですが上値は重く結局437円安の28,197円で取引を終えています。
また、新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となり、東証マザーズ指数は3.3%安となっています。さらにこうしたなかで商いが膨らみ東証1部の売買代金は4兆8334億円となっています。
2.個別銘柄等
三越伊勢丹ホールディングス(3099)が5.7%高となりました。2020年4-6月期と7-9月期に赤字だった営業損益が10-12月期に外注の削減や賞与カットなどのコスト圧縮により黒字に転換したことが評価されました。また、日野自動車(7205)も同じく2020年10-12月期の営業損益が黒字に転換したことで3.4%高となったほか、ミスミグループ本社(9962)も2020年10-12月期の営業利益が前年同期比で増益に転じたことで7.0%高となり昨年来高値を更新しています。
さらにバイオ製薬のJCRファーマ(4552)が急伸し13.6%高となりました。英製薬大手のアストラゼネカが日本で新型コロナウイルスワクチンの量産準備に入ると伝わるなかアストラゼネカのワクチン原液の国内製造を請け負っているJCRファーマに買いが向かいました。オムロン(6645)も一時3.0%高となりました。制御機器事業で中国向けが好調なうえ、血圧計などヘルスケア事業も伸びていることなどから通期の営業利益の見通しを上方修正し減益予想が一転して増益予想となったことで買いが優勢となりました。上げ幅を縮め引けは0.1%高に止まっています。
一方で昨日の米国市場で半導体株が大きく下げた流れを引き継ぎ日本市場でも半導体関連株が売られました。東京エレクトロン(8035)が4.6%安、アドバンテスト(6857)が4.3%安、ディスコ(6146)も2.9%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は437円安となりました。昨日の米国市場が大幅安となったことに加え、取引終了後に決算を発表したアップル(AAPL)やテスラ(TSLA)の時間外での株価の反応が冴えなかったこともあって下げ幅を広げました。しかし、一時は節目の28,000円を割り込みましたが、28,000円を小幅に割り込んだところでは下げ渋りました。大きな下げとなったものの押し目買い意欲は引き続き健在だといえそうで、まずは米国市場が落ち着きを取り戻せるかがポイントとなりそうです。
なお、今週から決算発表がスタートしていますが、本日も引け後に富士通(6702)やアドバンテスト(6857)、東京エレクトロン(8035)などが決算を発表する予定で、28日の米国でもマクドナルド(MCD)やビザ(V)などが決算発表を予定しています。また、日本時間の22時30分には10-12月期の米実質GDP速報値や米新規失業保険申請件数などが発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)