東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。日経平均は125円安の28,696円で寄り付くと取引開始から10分弱で81円安の28,740円まで持ち直しましたが、上値は重く下げ幅を広げると10時30分前に229円安の28,592円まで下落し181円安の28,641円で前場を終えました。一段安となった後場の日経平均は237円安の28,584円でスタートし13時40分過ぎに294円安の28,527円まで下落すると結局276円安の28,546円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

日本電産(6594)が一時4.6%高まで上昇し上場来高値を更新しました。パソコンやゲーム機向けの小型モーターが好調なうえ、全社で取り組むコスト削減活動も寄与することなどから通期の営業利益の見通しを1400億円から1550億円に上方修正したことが評価されました。JSR(4185)も5.0%高となり昨年来高値を更新しました。第3四半期9カ月累計の営業利益は前年同期比で60%に近い減益となりましたが、第3四半期3カ月の営業利益が前年同期比で9%に近い増益に転じたことで買いが優勢となりました。コーエーテクモホールディングス(3635)も2.7%高となりました。2020年9月に国内で配信を開始したスマホゲームの課金収入が好調に推移していることから通期の営業利益の見通しを170億円から220億円に引き上げたことが好感されました。

一方でばら積み船の総合的な値動きを示すバルチック海運指数の下落を受けて大手海運株が安く、日本郵船(9101)が4.5%安、商船三井(9104)が3.5%安、川崎汽船(9107)が6.0%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は276円安となりました。昨日の米国市場が高安まちまちで材料になりにくいなか昨日に高値を更新した後ということもあって高値警戒感から利益確定の売りが優勢となりました。昨日から3月決算企業の第3四半期決算発表がスタートしていますが、昨日の引け後に決算を発表した日本電産やJSR、コーエーテクモホールディングスなどが決算に好反応を示すなど滑り出しは順調だといえます。今後、決算発表が進むなかで企業業績への期待がさらに高まり節目の29,000円を試すような展開がみられるかがポイントとなりそうです。

なお、本日も引け後にはディスコ(6146)や日東電工(6988)が決算を発表する予定で、26日の米国でもマイクロソフト(MSFT)やアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、スリーエム(MMM)など多くの企業が決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)