東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反発しました。日経平均は67円高の28,698円でスタートするとしばらく先週末の終値を挟んで小幅に揉み合いましたが、9時30分過ぎから買いが優勢になると10時前に146円高の28,777円まで上昇し135円高で前場を終えました。123円高の28,755円でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に146円高の28,777円まで上昇しましたが、前場の高値を上回ることができなかったことで14時10分過ぎには86円高の28,717円まで上げ幅を縮めました。しかし、引けにかけて一段高になると結局190円高の28,822円と高値引けで取引を終え昨年来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
ルネサスエレクトロニクス(6723)が一時5.4%高まで上昇し昨年来高値を更新しました。ルネサスエレクトロニクスや東芝(6502)、オランダのNXPセミコンダクターズなど世界の半導体大手が自動車や通信機器向け製品の値上げに踏み切るとの報道を受けて物色の矛先が向かいました。また、東証2部の東芝は東京証券取引所が29日付けで東証1部に指定すると発表したこともあって急伸し16.8%高となっています。
エーザイ(4523)も2.8%高となりました。アルツハイマー病の発症を防ぐ予防薬の開発を目指し認知機能が正常な人を対象にした国際共同治験が2月にも日本でスタートすると伝わったことが材料視されました。さらに投資判断と目標株価の引き上げで大きく上昇したのが旭化成(3407)と住友化学(4005)で、旭化成が5.2%高、住友化学も5.7%高となり、住友化学は昨年来高値を更新しています。
一方で西松屋チェーン(7545)が1月の既存店売上高が前年同月比0.8%減と前月の二桁の増加から減少に転じたことで3.4%安となりました。1月の既存店売上高が前年同月比3.4%減となったニトリホールディングス(9843)も1.2%安と売りが優勢となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は190円高となりました。先週末の米国市場が高安まちまちとなり材料になりにくいなかで一進一退でのスタートとなりましたが、しばらくすると買いが優勢となり、決算への期待に加えて日経平均への寄与度が大きいファーストリテイリング(9983)やエムスリー(2413)が買われこの2銘柄で日経平均を114円押し上げたこともあって21日に付けた昨年来高値(28,756円)を上回りました。高値引けで昨年来高値を更新したことで先高期待が高まりそうですが、3月決算企業の第3四半期の決算発表がスタートするなかで明日以降、節目の29,000円を試すような動きがみられるかがポイントとなりそうです。なお、その決算発表ですが本日も引け後にはJSR(4185)や日本電産(6594)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)