東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて反発しました。日経平均は187円高の28,710円で寄り付くと取引開始から10分弱で322円高の28,846円まで上昇しましたが、9時20分前には154円高の28,677円まで上げ幅を縮めました。やや戻し204円高の28,727円で前場を終えた日経平均は234円高の28,758円で後場をスタートさせると12時40分過ぎに282円高の28,805円まで上昇しましたが、その後上げ幅を縮めると結局233円高の28,756円で取引を終え昨年来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は3.7%高となっています。
2.個別銘柄等
パナソニック(6752)が5.0%高となりました。低温管理が必要な米ファイザー製のワクチンにも対応する新型コロナウイルスのワクチン輸送・保管向けの保冷容器を開発したと報じられたことが材料視されました。三菱ケミカルホールディングス(4188)も4.9%高となりました。グループ会社と北里研究所との共同研究で手掛ける抗ウイルス加工を施した生地に新型コロナウイルスの不活性化効果が認められたと発表したことが材料視されました。
電通グループ(4324)も5.3%高となりました。東京都港区の本社ビルを売却する検討に入り、売却額が国内の不動産取引として過去最大級の3000億円規模になると伝わったことで買いを集めました。キヤノンマーケティングジャパン(8060)も4.0%高となりました。新型コロナウイルス感染拡大で在宅勤務が広がったことにより家庭用インクジェットプリンターなどが堅調に推移したことなどで通期の営業利益の見通しを240億円から313億円に上方修正したことが評価されました。
また、ソフトバンクグループ(9984)も昨日の米国市場で出資するアリババ集団(BABA)が5%を超える上昇となったことを受けて一時4.0%高の9,039円まで上昇し21年ぶりに9,000円台を回復する場面がありました。引けは2.9%高の8,946円となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は233円高となりました。主力ハイテク株が買われ昨日の米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したことから買いが優勢となり、14日に付けた昨年来高値(28,698円)を一週間ぶりに更新しました。高値を上回ってきたことで29,000円の大台回復への期待が高まりそうです。なお、日本時間の21時45分には欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、22時30分には米新規失業保険申請件数や2020年12月の米住宅着工件数、1月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数などが発表される予定です。
また、21日の米国ではトラベラーズ(TRV)やIBM(IBM)、インテル(INTC)などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)