東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反落となりました。日経平均は米国株高を受けて165円高の28,798円でスタートすると寄り付きをほぼ高値に上げ幅を縮め取引開始から10分弱でマイナスに転じ10時40分過ぎに151円安の28,481円まで下落し129円安で前場を終えました。131円安の28,502円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げると13時過ぎに231円安の28,402円まで下落しましたが、その後持ち直し節目の28,500円を回復すると結局110円安の28,523円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
コンデンサー大手のニチコン(6996)が7.9%高となり昨年来高値を更新しました。自動車メーカーや系列部品メーカーへの販売に加え、モーター専業メーカーである日本電産(6594)への供給も決まるなど電気自動車向けの需要が拡大していることから2021年末までにフィルムコンデンサーの生産能力を倍増させると伝わったことが材料視されました。青山商事(8219)も5.0%高となりました。専門店の6割にあたる400店で売り場面積を最大5割減らし空きスペースにコンビニエンスストアなどを誘致すると報じられたことが好感されました。AGC(5201)も3.7%高となりました。医薬品の受託製造や半導体用の先端材料事業が伸びることに加え、自動車向けなどのガラス事業も営業損益が改善することから2021年12月期の営業利益が前期推定に比べて3割増の約1000億円になる見通しだと報じられたことで期待が高まりました。また、中古車買い取りチェーン最大手のIDOM(7599)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて6.0%高となっています。
一方で投資判断と目標株価の引き下げを嫌気して医療用電子機器の日本光電(6849)が6.1%安となったほか、ANAホールディングス(9202)も目標株価の引き下げを受けて3.4%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は110円安となりました。イエレン次期財務長官が指名承認の公聴会で経済対策について積極的に取り組むと述べたことなどで昨日の米国市場が反発したことから上昇して始まりましたが、日本市場は米経済対策への期待を昨日に既に織り込んでいたこともあって失速すると下落に転じました。7日から14日の5日間で1,600円以上上げるなど上昇ピッチが速かっただけにスピード調整が必要ということなのでしょう。しかし、節目の28,500円を一時割り込んだものの持ち直し引けでは28,500円を上回りました。押し目買い意欲は依然として健在だといえます。
なお、20日の米国では米大統領の就任式が行われるほか、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)やモルガン・スタンレー(MS)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)