東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。日経平均は280円安の28,238円で寄り付くと直後に407円安の28,111円まで下落しましたが、持ち直すと9時50分前には169円安の28,349円まで下げ幅を縮めました。やや下げ幅を広げ236円安の28,282円で前場を終えた日経平均は260円安で後場をスタートさせると12時40分過ぎに199円安の28,319円まで持ち直しました。しかし、下げ幅を広げ13時50分過ぎに324円安の28,194円まで下落するとその後やや戻し結局276円安の28,242円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

日本電産(6594)が4.6%高となりました。関潤社長が取材で環境規制強化などに伴う電気自動車化の進展で自動車の土俵にいなかった人たちが電気自動車を作るのは一般的になるとしたうえで、主要部品の駆動モーターでは価格競争が加速し2030年ころまでに自動車メーカーの内製品はほぼなくなるとの見通しを示したことで、駆動モーターを手掛ける日本電産への期待が高まりました。串カツ田中ホールディングス(3547)も一時11.1%高となり急伸する場面がありました。決算を発表し今期の営業損益が前期の赤字から黒字に転換する見通しを示したことで買いを集める場面がありました。しかし、朝方の買い一巡後は上げ幅を縮め1.1%高で取引を終えています。

ツインバード工業(6897)も5.9%高となりました。米ファイザー(PFE)が開発中の新型コロナウイルスワクチンを保管できる超低温冷凍庫を7千台追加手配し合計で1万台の確保にめどがついたと厚生労働省が明らかにしたと伝わるなか、ワクチン保管用の保冷庫の製造・販売を手掛けているツインバード工業が物色されました。

一方で三越伊勢丹ホールディングス(3099)が6.6%安となりました。新型コロナウイルス感染拡大による客数マイナスが継続していることに加え、緊急事態宣言に伴う時短営業も影響し、1月14日までの1月の国内百貨店の既存店売上高が前年同期比32.8%減になったと発表し、マイナス幅が2020年12月から大幅に拡大していることで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場は276円安となりました。バイデン次期米大統領が1.9兆ドル規模の追加経済対策案を発表したものの織り込み済みで材料出尽くしとなったことや、米小売売上高などの経済指標が市場予想を下回ったことで景気敏感株を中心に売りが出て先週末の米国市場が続落となったことで売りが優勢となりました。7日から14日の5日間で1,600円以上上げた後で高値警戒感から利益確定の売りが出やすく下げ幅を広げましたが、短期的な過熱感が高まっていたことからスピード調整とみることもできそうで、調整一巡後に切り返し節目の29,000円を試すような展開をみせるかがポイントとなりそうです。なお、今晩の米国市場はキング牧師誕生日の祝日で休場です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)