【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 30,814.26 ▼177.26 (1/15)
NASDAQ: 12,998.50 ▼114.14 (1/15)
1.概況
先週末の米国市場はバイデン次期大統領が1.9兆ドル規模の追加経済対策案を発表したものの織り込み済みで材料出尽くしとなったことや、米小売売上高などの経済指標が市場予想を下回ったことで景気敏感株を中心に売りが出て続落となりました。ダウ平均は64ドル安でスタートするとまもなくして378ドル安まで下落しましたが、下げ幅を縮めると取引終盤には50ドル安程度まで持ち直しました。しかし、引けにかけて再び下げ幅を広げると結局177ドル安の30,814ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も114ポイント安の12,998ポイントと続落となり節目の13,000ポイントを割り込んでいます。
2.経済指標等
2020年12月の米小売売上高は前月比0.7%減となり市場予想を下回りました。1月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数も3.5と前月から低下し市場予想を下回りました。また、1月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も79.2と前月から低下し市場予想を下回っています。さらに2020年12月の米卸売物価指数(PPI)も前月比0.3%上昇に止まり市場予想を下回っています。一方で2020年12月の米鉱工業生産は前月比1.6%上昇し市場予想を上回りました。設備稼働率も74.5%と前月から上昇し市場予想を上回っています。11月の米企業在庫は前月比0.5%増となり市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、エネルギーが4%安となったほか、金融も2%近く下落しました。また、素材、資本財・サービスも1%以上下げています。一方で不動産や公益事業などの4業種が上げ、不動産が1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が下げました。そのなかでもダウ(DOW)が4%近く下落したほか、シェブロン(CVX)も3%を超える下げとなりました。インテル(INTC)も3%近く下げ、ボーイング(BA)とゴールドマン・サックス(GS)も2%以上下落しています。一方でホーム・デポ(HD)が3%近く上げたうえ、アムジェン(AMGN)とメルク(MRK)も1%以上上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では、ビジネス・アプリケーション制作のプログロス・ソフトウエア(PRGS)が業績見通しが市場予想に届かなかったことで9%以上下げています。また、半導体株が安くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディア(NVDA)、クアルコム(QCOM)が2%以上下げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.05%低い1.08%となりました。ドル円は103円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。高値警戒感から利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。また、日本時間の11時には中国で2020年10-12月期のGDPなど多くの経済指標が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)