東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は6日ぶりに反落となりました。日経平均は79円高の28,777円で寄り付くと直後に122円高の28,820円まで上昇しましたが、上げ幅を縮めると取引開始から20分弱で下落に転じました。しばらく昨日終値を挟んで小幅に揉み合いましたが、10時30分過ぎから売りが優勢になると11時20分に91円安の28,607円まで下落し59円安で前場を終えました。69円安の28,628円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げ14時20分前に221円安の28,477円まで下落した後やや戻すと結局179円安の28,519円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇となった一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

半導体受託生産世界最大手の台湾のTSMCが決算を発表し今期の設備投資が過去最大となる見通しを示したことから半導体製造装置関連銘柄が買われました。東京エレクトロン(8035)が3.9%高、レーザーテック(6920)が3.0%高、アドバンテスト(6857)が2.8%高、SCREENホールディングス(7735)が4.0%高、ディスコ(6146)が1.9%高となりました。東京エレクトロンとディスコが上場来高値を更新し、アドバンテストとSCREENホールディングスは昨年来高値を更新しています。

また、キヤノン(7751)が8.4%高となりました。フルサイズミラーレスの新製品カメラの販売が中国で好調だったことに加え、在宅勤務の拡大を受け家庭用プリンターのインク販売も伸びたことなどから2020年12月期の営業利益の見通しを640億円から1050億円に上方修正したことで買いを集めました。AGC(5201)も2.9%高となりました。建築用や自動車用のガラス需要が当初想定より早いペースで回復していることなどから2020年12月期の営業利益の見通しを550億円から750億円に引き上げたことが好感されました。ドトール・日レスホールディングス(3087)も4.8%高となりました。第3四半期3カ月間の営業利益が3億円弱となり、第1四半期と第2四半期3カ月間の営業赤字から黒字に転換したことが評価されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は179円安となりました。昨日までの堅調な地合を引き継ぎ上昇してスタートしましたが、昨日の米国市場が下落となるなど新たな買い材料がないなかで昨日までの5日間で1,600円以上も上昇していたこともあって徐々に売りが優勢となりました。25日移動平均線との乖離率が昨日時点で6%近くまで広がるなかで高値警戒感から利益確定の売りが出るのは当然で、さすがにスピード調整が必要ということなのでしょう。

なお、今晩の米国では多くの経済指標の発表が予定されています。日本時間の22時30分には2020年12月の米小売売上高や1月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数などが、そして23時15分には2020年12月の米鉱工業生産や設備稼働率が発表されるうえ、6日午前0時には1月の米ミシガン大消費者態度指数速報値などが発表される予定です。また、JPモルガン・チェース(JPM)やウェルズ・ファーゴ(WFC)、シティーグループ(C)など金融大手が決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)