【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,991.52  ▼68.95 (1/14)
NASDAQ: 13,112.64  ▼16.31 (1/14)

1.概況

米国市場は金利上昇が重石となり下落となりました。ダウ平均は追加経済対策への期待から25ドル高でスタートすると朝方に163ドル高の31,223ドルまで上昇し8日に付けた史上最高値(31,097ドル)を上回る場面もありましたが、金利上昇を受けて主力ハイテク株に売りが出て取引終盤に上げ幅を縮めると引けにかけて下落に転じ結局68ドル安の30,991ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も16ポイント安の13,112ポイントと3日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週から18万1000件増の96万5000件となり市場予想を大幅に上回る悪化となりました。また、2020年12月の米輸入物価指数は前月比0.9%上昇し市場予想を上回りました。米輸出物価指数も前月比1.1%上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術やコミュニケーション・サービス、一般消費財・サービスなどの7業種が下げ、情報技術は1%近く下落しました。一方でエネルギーや不動産などの4業種が上げ、エネルギーは3%高となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では前日の最高経営責任者(CEO)交代の発表を受けて投資判断引き上げが相次いだことでインテル(INTC)が4%高となり上昇率トップとなりました。また、原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)も2%以上上げたほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も開発中の新型コロナウイルスワクチンが1回の接種で有効性を示したとの治験結果を公表したことで2%近く上昇しています。一方でビザ(V)が3%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、ホーム・デポ(HD)も2%余り下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算で売上高が市場予想を上回ったデルタ航空(DAL)が2%を超える上昇となっています。さらに半導体受託生産世界最大手の台湾のTSMCが決算を発表し今期の設備投資が過去最大となる見通しとなったことから半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が8%近く上げたうえ、ラムリサーチ(LRCX)も6%近く上昇しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い1.13%となりました。ドル円は103円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米国市場が小幅な下げに止まったことから本日の日本市場は昨日までの堅調な地合いを引き継いで上昇してのスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)