【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,008.69  ▼89.28 (1/11)
NASDAQ: 13,036.43  ▼165.54 (1/11)

1.概況

先週末の米国市場は追加経済対策への期待が続き続伸となり、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。28ドル高でスタートしたダウ平均ですが、民主党のマンチン上院議員が家計への現金給付の増額に反対姿勢を示したと伝わるとまもなくして下落に転じ昼過ぎに247ドル安まで下落しました。しかし、その後持ち直すと引けにかけてプラスに転じ結局56ドル高の31,097ドルと4日続伸となり3日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も20ポイント高の3,824ポイントとこちらも4日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も134ポイント高の13,201ポイントと続伸となりこちらも前日に続いて史上最高値を更新しています。

昨日の米国市場は金利上昇を受けて主力ハイテク株に利益確定の売りが出て反落となりました。82ドル安でスタートしたダウ平均は265ドル安まで下落した後昼過ぎに前日終値近辺まで持ち直しましたが、戻し切れないと下げ幅を広げその後も軟調に推移し結局89ドル安の31,008ドルで取引を終え5日ぶりに反落となりました。また、S&P500株価指数も25ポイント安の3,799ポイントとこちらも5日ぶりに反落となったほか、ナスダック総合株価指数も165ポイント安の13,036ポイントと3日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

先週末に発表となった2020年12月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比14万人減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。失業率は6.7%となり悪化を見込んでいた市場予想に反して前月比横ばいとなりました。また、2020年11月の米卸売在庫は前月比変わらずとなり市場予想を上回りました。卸売売上高は前月比0.2%増となっています。さらに2020年11月の米消費者信用残高は152億7000万ドルとなり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、一般消費財・サービスが2%近く上昇したほか、不動産も1%余り上げました。一方で素材や資本財・サービスなどの4業種が下げています。

昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、一般消費財・サービスが2%近く下落したほか、コミュニケーション・サービスと不動産も1%以上下げました。一方でエネルギーやヘルスケアなどの4業種が上げ、エネルギーは1%以上上昇しました。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場でダウ平均構成銘柄ではコカ・コーラ(KO)が2%以上上げ上昇率トップとなったほか、アムジェン(AMGN)とセールスフォース・ドットコム(CRM)、マクドナルド(MCD)も2%近く上げました。一方でスリーエム(MMM)が2%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、前日に目標株価の引き上げを受けて大幅高となった電気自動車のテスラ(TSLA)が引き続き買われ8%近く上げています。

昨日の米国市場では主力ハイテク株に売りが出るなかでアップル(AAPL)が2%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%を超える下げとなりました。また、電気自動車のテスラも8%近く下げています。さらに6日に首都ワシントンで発生した暴動ではSNSでの情報発信が大きく影響したとの見方から今後SNSへの規制が強化されるとの思惑からツイッター(TWTR)が6%以上下落し、フェイスブック(FB)も4%安となりました。一方でイーライ・リリー(LLY)がアルツハイマー型認知症治療薬の治験で良好な結果が出たと発表したことで急伸し12%近く上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.03%高い1.11%となりました。昨日の長期金利は0.03%高い1.14%となりました。ドル円は104円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は昨日の米国市場が下落となったことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を前に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)