【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,829.40  △437.80 (1/6)
NASDAQ: 12,740.79  ▼78.17 (1/6)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ジョージア州の米上院決選投票で民主党候補が2議席ともに獲得し上下両院で民主党が過半数を制するとの見方が強まったことで追加経済対策やインフラ投資の拡大などといった政策の恩恵を受けるとみられる景気敏感株を中心に買いが膨らみダウ平均とS&P500株価指数が続伸となりダウ平均は史上最高値を更新しましたが、金利上昇を受けて割高感のあるハイテク株が売られたことでナスダック総合株価指数は反落となりました。28ドル安と下落してスタートしたダウ平均ですがまもなくしてプラスに転じると大きく上げ幅を広げる展開となり取引終盤には631ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局437ドル高の30,829ドルで取引を終え昨年末に付けた史上最高値(30,606ドル)を更新しています。また、S&P500株価指数も21ポイント高の3,748ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は78ポイント安の12,740ポイントとなりました。

2.経済指標等

2020年12月のADP全米雇用リポートで民間部門の雇用者数は12万3000人減となり市場予想を下回りました。一方で2020年11月の米製造業受注は前月比1.0%増となり市場予想を上回りました。また、2020年12月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では最大雇用と物価安定の目標達成に向けてさらに著しい進展が見られるまで量的緩和を継続することを参加者全員が賛成していたことが分かりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、金融と素材が4%を超える上昇となったほかエネルギーも3%近く上げています。一方で情報技術やコミュニケーション・サービスなどの4業種が下げ、情報技術は2%近く下落しました。

4.個別銘柄動向

長期金利の上昇を受けて大手金融株が買われウェルズ・ファーゴ(WFC)が7%余り上げたほか、バンク・オブ・アメリカ(BAC)も6%以上上昇しました。シティグループ(C)とゴールドマン・サックス(GS)も5%以上上昇し、JPモルガン・チェース(JPM)も4%を超える上昇となっています。また、景気敏感株に物色が向かうなかキャタピラー(CAT)が5%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。

一方で金利上昇を受けてハイテク株が売られアップル(AAPL)が3%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、ネットフリックス(NFLX)も4%近く下落しました。さらにマイクロソフト(MSFT)やセールスフォース・ドットコム(CRM)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%以上下げています。半導体株ではエヌビディア(NVDA)が6%近く下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も2%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利はジョージア州の米上院決選投票で民主党候補が2議席ともに獲得し上下両院で民主党が過半数を制するとの見方が強まったことで追加の景気対策による国債増発観測が強まり0.09%高い1.05%となり、節目の1%をおよそ10ヶ月ぶりに上回りました。ドル円は103円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が史上最高値を更新したこともあって上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)