東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて大幅続伸となりました。日経平均は82円高の26,936円で寄り付くと直後に67円高の26,921円までやや上げ幅を縮めましたが、直ぐに切り返し大きく上げ幅を広げると10時50分前には444円高の27,298円まで上昇し438円高で前場を終えました。405円高の27,259円とやや上げ幅を縮めてスタートした後場の日経平均ですが13時10分過ぎから一段高となり大引けの5分前に748円高の27,602円まで上昇し本日の高値を付けると結局714円高の27,568円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

大日本住友製薬(4506)が急伸し16.5%高となりました。子会社が抗がん剤「レルゴリクス」の共同開発と販売で米ファイザー(PFE)と契約し、子会社がファイザーから最大で約4350億円を受け取る可能性があると発表したことで買いを集めました。三菱重工業(7011)も4.9%上昇し昨日に続いて大幅高となりました。米電力大手のエンタジー・コーポレーションと組んで米国で水素の製造や貯蔵、利用に関する共同研究に乗り出すと報じられたことが材料視されました。川崎汽船(9107)も3.3%高となりました。コンテナ船事業で旺盛な貨物需要があり第3四半期の経常利益が約300億円となりそうで、通期の業績予想が上方修正となる見込みだと発表したことが好感されました。

また、日経平均が大幅高となるなか指数寄与度の大きいファーストリテイリング(9983)やソフトバンクグループ(9984)が高く、ファーストリテイリングが4.5%高となり初めて9万円台に乗せ上場来高値を更新したほか、ソフトバンクグループも4.5%高となりこの2銘柄で日経平均を216円押上げました。

一方で本日は12月決算銘柄の権利落ち日で、JT(2914)が配当落ちの影響もあって4.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は714円高となりました。米政府の追加経済対策がトランプ米大統領の署名を経て成立したことや、経済対策と一体化された2021年度予算が成立し政府機関の一部閉鎖も回避されたことを好感して昨日の米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したことに加えて、時間外で米株価指数先物が上昇していたこともあって上げ幅を大きく広げる展開となりました。その結果、昨日に続いて年初来高値を更新し節目の27,000円を終値ベースで1991年3月以来約29年9ヶ月ぶりに上回り節目の27,500円も超えてきました。まさに株価が年末にかけて上昇する「掉尾の一振」通りの相場展開となっています。本日に700円以上も上げたことで明日は利益確定の売りも出やすいといえますが、大納会だけに高値を更新して今年の取引を終えたいものです。

なお、先週から小売り企業を中心とした2月決算銘柄の第3四半期決算発表がスタートしていますが、本日も引け後にカジュアル衣料大手のアダストリア(2685)が決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)