東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。日経平均は39円高の26,708円で寄り付くと直後に48円高の26,716円まで上昇しましたが、上げ幅を縮めると取引開始から10分弱で下落に転じその後は昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり8円安の26,659円で前場を終えました。15円安の26,653円でスタートした後場の日経平均はしばらく小幅安で推移すると14時20分前にプラスに転じ14時40分過ぎに18円高の26,686円まで上昇しましたが、上値は重く引けにかけて下落すると結局11円安の26,656円で取引を終えています。
また、TOPIXは小幅に続伸となったものの、新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となる一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。
2.個別銘柄等
日本郵船(9101)が6.5%高となりました。定期船事業や航空運送事業などの一般貨物輸送事業の好調な市況推移に支えられ経常利益が第3四半期時点で通期予想の700億円を上回り1000億円超になりそうだと発表したことで買いを集めました。他の海運大手にも買いが波及し商船三井(9104)が6.3%高、川崎汽船(9107)も7.8%高となっています。三洋化成工業(4471)も4.0%となり年初来高値を更新しました。次世代型リチウムイオン電池である全樹脂電池に関する共同研究をソフトバンク(9434)の子会社と始めると発表したことが材料視されました。また、国内大手証券が目標株価を引き上げたことでデンソー(6902)が2.7%高となり年初来高値を更新しています。
一方でソフトバンクグループ(9984)が3.1%安となりました。中国の規制当局が独占禁止法違反の疑いで調査を始めたと発表したことで昨日の米国市場で出資先のアリババ集団(BABA)が急落し13%以上下げたことが嫌気されました。ジャスダック市場では出前館(2484)も14.3%安となりました。第1四半期の営業損益が32億円近い赤字となり前年の第1四半期に比べ赤字額が大幅に拡大したことで売りがかさみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は11円安となりました。クリスマス休暇に入っている海外勢も多く参加者が限られることから様子見ムードが強く日経平均の一日の値幅はわずか78円に止まり、東証1部の売買代金も1兆2547億円と薄商いで昨日に続いて2兆円を下回りました。今年の取引も残り3営業日のみとなりましたが、掉尾の一振で9日に付けた年初来高値(26,817円)を上回り節目の27,000円を試すような展開が来週みられるかが注目されます。
なお、今週から小売り企業を中心とした2月決算銘柄の第3四半期決算発表がスタートしていますが、本日も引け後には高島屋(8233)やニトリホールディングス(9843)などが決算を発表する予定です。また、今晩の米国市場はクリスマスのため休場となります。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)