【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,129.83  △114.32 (12/23)
NASDAQ: 12,771.11  ▼36.80 (12/23)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数はファイザー(PFE)が来年7月までに1億回分の新型コロナウイルスワクチンを追加供給する契約を米政府と結んだと発表したことでワクチン普及による経済正常化への期待が高まり反発しましたが、前日に史上最高値を更新していたナスダック総合株価指数は利益確定の売りが出て反落となりました。ダウ平均は31ドル高でスタートするとじりじりと上げ幅を広げる展開となり昼過ぎに277ドル高まで上昇するとその後上げ幅を縮めたものの結局114ドル高の30,129ドルで取引を終え反発となっています。

また、S&P500株価指数も2ポイント高の3,690ポイントとなり4日ぶりに反発となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は36ポイント安の12,771ポイントと反落となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は8万9000件減の80万3000件となり市場予想を上回る改善となりました。11月の米耐久財受注額も前月比0.9%増となり市場予想を上回っています。一方で11月の個人消費支出(PCE)は前月比0.4%減となり市場予想を下回りました。米個人所得も前月比1.1%減となり市場予想を下回っています。また、11月の米新築住宅販売件数も年率換算で前月比11.0%減の84万1000戸となり市場予想を下回りました。12月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も80.7と速報値から下方修正され市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、資本財・サービスなどの8業種が上げ、エネルギーが2%以上上昇したほか、金融も1%以上上げています。一方で不動産と情報技術、公益事業の3業種が下げ、不動産は1%近く下落しました。

4.個別銘柄動向

長期金利の上昇を受けてJPモルガン・チェース(JPM)が3%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、ゴールドマン・サックス(GS)も2%以上上げダウ平均構成銘柄でJPモルガン・チェースに次ぐ上昇率となりました。また、アメリカン・エキスプレス(AXP)も2%余り上げたうえ、目標株価の引き上げを受けてウォルト・ディズニー(DIS)も2%近く上昇しています。一方でセールスフォース・ドットコム(CRM)が1%を上回る下げとなりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、マイクロソフト(MSFT)も1%以上下げセールスフォース・ドットコムに次ぐ下落率となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では新型コロナウイルスワクチンの普及への期待が高まるなか巣ごもり関連のネットフリックス(NFLX)が売られ2%を超える下落となりました。電気トラックのニコラ(NKLA)もゴミ収集車の受注キャンセルを受けて急落し10%余り下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い0.94%となりました。ドル円は103円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が反発したことを受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)