東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日続落となりました。日経平均は155円安の26,559円で寄り付き取引開始から10分余りで74円安の26,639円まで持ち直した後10時前に259円安の26,454円まで下落しましたが、下げ幅を縮めると101円安の26,613円で前場を終えました。110円安の26,603円でスタートした後場は再び下げ幅を広げると14時50分前に352円安の26,361円まで下落し本日の安値を付けました。その後引けにかけてやや戻した日経平均ですが結局278円安の26,436円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となり、東証マザーズ指数は4.1%安となっています。
2.個別銘柄等
富士フイルムホールディングス(4901)が6.0%安となりました。抗インフルエンザ薬のアビガンについて厚生労働省の専門部会が新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認するかどうかの判断を見送り継続審議とすることを決めたことが嫌気されました。西松屋チェーン(7545)も一時3.5%安まで下落しました。昨日の引け後に発表した決算で第3四半期の営業利益がプライベートブランド(PB)の衣料品の販売が伸びたことなどから前年同期比で3.7倍と大幅な増益となったことで上昇して始まりましたが、好調な既存店売上高の推移から好業績は織り込み済みで朝方の買いが一巡すると売りが優勢となりました。三陽商会(8011)も一時3.6%安となりました。募集人員を定めず正社員を対象に早期退職者を募集すると発表したことで英バーバリー社とのライセンス契約が終了して以降業績が低迷している厳しい事業環境が改めて意識されました。
一方で日立造船(7004)が3.5%高となり年初来高値を更新しました。伊藤忠商事(8001)とアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで世界最大級のごみ焼却発電を受注したと報じられたことが材料視されました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は278円安となりました。ダウ平均は小幅に反発したものの、英国で新型コロナウイルスの変異種の感染が広がっていることを警戒してS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が続落となったことから売りが優勢となりました。押し目買いが入り持ち直す場面もありましたが、後場に入って一段安になると一時は350円を超える下落となる場面もありました。節目の27,000円を前に上値の重い展開が続くなかで下げ幅を広げ節目の26,500円や25日移動平均線(26,490円)を割り込んだことで下値への不安がやや意識されそうです。
なお、日本時間の22時30分には7-9月期の米実質GDP確定値が発表されるほか、23日の午前0時には11月の米中古住宅販売件数や12月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)