東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに小幅に反落となりました。日経平均は31円安の26,775円で寄り付くとまもなくしてプラスに転じましたが、17円高の26,824円で上値が押さえられると下落に転じました。その後9時30分過ぎや10時10分過ぎにもわずかにプラスになる場面がありましたが、上値が重く下げ幅をやや広げると前引け間際に65円安の26,740円まで下落し49円安で前場を終えました。31円安の26,774円でスタートした後場の日経平均は後場寄り直後に20円安の26,785円まで下げ幅を縮めましたが、戻し切れないと下げ幅をやや広げ14時20分前には99円安の26,707円まで下落しました。しかし、下げ幅を三桁に広げることなく下げ渋ると持ち直し結局43円安の26,763円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が上昇した一方で、日経ジャスダック平均は下落となっています。

2.個別銘柄等

昨日は巣ごもり関連として物色が向かい年初来高値を更新した任天堂(7974)とソニー(6758)ですが、本日は異なる動きとなりました。任天堂は利益確定の売りに押され1.3%安となりましたが、昨日に1万円の大台を回復したソニーは買いが続き一時5.2%高まで上昇し昨日に続いて年初来高値を更新しています。また、デンソー(6902)と日本製鋼所(5631)も年初来高値を更新しています。デンソーは目標株価の引き上げを受けて一時3.0%高まで上昇したほか、日本製鋼所も同じく目標株価の引き上げを受けて一時5.8%高まで上昇しました。さらにアンジェス(4563)が新型コロナウイルス治療薬の第1相臨床試験を米国で開始したと発表したことで一時12.0%高まで上昇しています。

東証マザーズ市場では認知度が高いこともあって16日に上場したバルミューダ(6612)への人気が続き15.4%上昇し昨日に続いてストップ高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は43円安となりました。昨日の米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を付けたことが相場の支えとなる一方で、円高が重石となり小幅な下落となりました。プラスとなり9日に付けた年初来高値(26,817円)をわずかに上回る場面もありましたが、伸び悩むと上値の重さが嫌気され売りが優勢となりました。しかし、底堅く下値も限られTOPIXは小幅に3日続伸となっています。また、昼過ぎに発表となった日銀の金融政策決定会合の結果は企業の資金繰り支援を2021年9月末まで延長するとともに大規模緩和を維持するといった市場の想定通りの内容で相場への影響は限定的でした。上値が重い展開が続き今週は高値を更新できませんでしたが、10日の欧州中央銀行(ECB)理事会、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、そして本日の日銀の金融政策決定会合と日米欧の中央銀行のイベントを無難に通過しただけに年末に向けて水準を切り上げる展開に期待が持てそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)