東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて小幅に反発となりました。日経平均は147円高の26,835円で寄り付くと取引開始から3分で187円高の26,874円まで上昇しましたが、朝方の買いが一巡すると11時10分過ぎには44円高の26,731円まで上げ幅を縮め79円高の26,767円で前場を終えました。97円高の26,785円でスタートした後場の日経平均は13時20分過ぎに29円高の26,717円まで上げ幅を縮めましたが、その後やや戻すと結局69円高の26,757円で取引を終えています。一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
パーク24(4666)が主取引銀行などから劣後ローンで500億円を調達すると発表したことで10.3%高となりました。発行済み株式数が増加し1株利益の希薄化につながる公募増資ではなく資本性のある借り入れでの資金調達を選択したことを評価する買いで急伸しました。また、投資判断や目標株価の引き上げに反応したのがアルプスアルパイン(6770)や任天堂(7974)で、アルプスアルパインが投資判断と目標株価の引き上げを受けて7.1%高となり、任天堂も目標株価の引き上げを受けて2.9%高となり年初来高値を更新しています。さらにケーズホールディングス(8282)も発行済み株式総数の4.70%に相当する1000万株を上限とする自社株買いを発表したことで5.2%高となったほか、三協立山(5932)も通期の営業利益の見通しを3億円から19億円に上方修正したことで10.8%高と急伸しています。
一方でツルハホールディングス(3391)が4.9%安となりました。上期決算を発表し通期の営業利益の見通しを452億円から490億円に引き上げましたが、市場予想に届かなかったことが嫌気されました。アスクル(2678)も一時4.2%安となりました。同じく上期決算を発表し通期の営業利益の見通しを92億円から108億円に上方修正しましたが、こちらも市場予想を下回ったことで売りが優勢となりました。引けは下げ幅を縮め1.6%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は69円高となりました。昨日の米国市場が追加の経済対策の早期成立への期待から上昇し、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。9日に付けた年初来高値(26,817円)を上回る場面もありましたが、上げ幅を縮めたことから引けで年初来高値を超えることはできませんでした。高値更新は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果とマーケットの反応をみないと難しいということなのでしょう。
そのFOMCの結果発表ですが日本時間17日の午前4時の予定で、新型コロナウイルスの感染再拡大で雇用が悪化するなか量的緩和の拡充や追加緩和の是非などが議論されるとみられていることから注目されます。また、日本時間の22時30分には11月の米小売売上高が、そして23時45分には12月の米PMI速報値などが発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)