大相場への「条件」
今月の米ドル/円は、103.67~104.74円と、先週までの最大値幅は1円程度にとどまっている。ただ、12月の米ドル/円が小動きというわけではなく、たとえば過去10年間の12月の米ドル/円値幅平均は3.7円なので、1ヶ月の米ドル/円値幅としてはむしろ大幅の部類に入る(図表1参照)。
また、今年は4年に一度の米大統領選挙があったが、同じように米大統領選挙のあった年の12月値幅は、過去2回とも5円以上もの大幅となっていた。にもかかわらず、これまでのところ、今月の米ドル/円値幅は上述のように小幅となっており、それどころか、このままなら、過去10年間の米ドル/円12月値幅の最小を更新することになってしまう。
米ドル/円がよく動く12月、そして、4年に一度の米大統領選挙年ではそれがより顕著になっていた12月。そういった過去の経験を参考にすると、今月の米ドル/円の値幅は、月末までの間に拡大する可能性がまだまだありそうだ。ということは、先週までのレンジ、103.67~104.74円を月末までに更新する可能性はあるということになる。
ところで、すでに述べたように、12月の米ドル/円は比較的よく動いたという実績があったものの、それはあくまでも欧米でクリスマス休暇が本格化する12月半ばまでということが基本だった。ということは、上述のレンジをブレークし、今回の12月米ドル/円相場がどこまで拡大するかは、今週、とくに予めわかっている注目イベントといったことでは、16日FOMC(米連邦公開市場委員会)までが1つのヤマ場ということではないか。
また、この数ヶ月の米ドル/円のもう1つの特徴は、90日MAを上限、それを2%下回った水準を下限としたレンジ内での上下動が続いてきたということ。それは、足元では103~105.2円程度(図表2参照)。
以上を整理すると、今月の米ドル/円がどこまでの動きになるかは、今週までに、今月これまでのレンジ、103.6~104.7円をブレークできるか、そして次のハードルは、90日MAとそれを2%下回った水準、足元なら103~105.2円を抜けられるかが焦点になるのではないか。