ユーロ、豪ドルの動きは「前兆」なのか!?

米大統領選挙後、高値更新となっている株式市場に比べると地味だが、為替相場も今週に入り、米ドル/円以外では少し動きが出てきた。ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルなどは、年初来の高値を更新、最近のレンジの上放れの様相となってきた。

具体的には、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルとも、この数ヶ月超えられなかった90日MA(移動平均線)プラス2%の水準を上回ってきた(図表1、2参照)。ところで、最近も書いてきたように、米大統領選挙後に90日MA±2%レンジをブレークする動きは、それまでのトレンドレスな小動きから、トレンドを伴ったボラティリティー急上昇といった大相場の始まりだったことが少なくなかった。

【図表1】ユーロ/米ドルの90日MAからのかい離率 (2020年4月~)
出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成
【図表2】豪ドル/米ドルの90日MAからのかい離率(2020年4月~)
(出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成)

では、上述のユーロ/米ドルなど、いわゆるドルストレートは、米大統領選挙後に一方向への大相場が始まるといった「アノマリー」に沿った動きなのか。この「アノマリー」は、選挙の勝敗を前に小動きになった相場が、小動きで蓄積されたエネルギー発散で、選挙後一方向に大きく動くということがあったと考えられる。それは、今回も参考になりそうだ。

 

以上からすると、米大統領選挙後の円以外の通貨に対する米ドル取引、「ドルストレート」のレンジ・ブレークが「ダマシ」ではないかを見極めながら、かりに「ダマシ」でないなら、対円でも米ドル「下放れ」(米ドル安・円高)に波及していく可能性は注目されそうだ。

【図表3】米ドル/円の90日MAからのかい離率(2020年4月~)
(出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成)