東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に3日続伸となりました。日経平均は60円安の26,740円で寄り付くと直ぐにプラスに転じ9時10分過ぎに43円高の26,844円まで上昇しましたが、上値が伸び悩むと下落に転じ10時30分過ぎには81円安の26,719円まで下落しました。しかし、下げ渋ると持ち直し5円高の26,806円で前場を終えました。59円高でスタートした後場の日経平均は直後に67円高の26,868円まで上昇した後まもなくしてマイナスに転じると14時過ぎに66円安の26,734円まで下落しましたが、持ち直すと結局8円高の26,809円で取引を終え小幅に年初来高値を更新しています。一方で新興市場は軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。
2.個別銘柄等
経済産業省が2030年代半ばにも国内の新車からガソリン車をなくし全てをハイブリッド車や電気自動車などにする目標を設ける方向で調整していると伝わったことでデンソー(6902)が3.6%高となりました。電気自動車で先行している日産(7201)も2.9%高となったほか、電気自動車では樹脂部品の需要がガソリン車と比べて1-2割増えるとみているとのインタビューでの黒田社長の発言を受けて樹脂製部品大手の三光合成(7888)も27.0%上昇しストップ高となっています。
また、政府が観光支援策のGo Toトラベル事業を来年の6月末まで延長する方針を固めたと伝わったことでJR各社が高く、JR東海(9022)が2.5%高、JR東日本(9020)が2.6%高、JR西日本(9021)が4.7%高、JR九州(9142)が3.0%高となっています。さらに昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が史上最高値を付けるなか日本市場でも半導体関連株が堅調で、そのなかでもSUMCO(3436)が3.0%高となり年初来高値を更新し15連騰となっています。
一方で良品計画(7453)が11月の既存店売上高が前年同月比で6.6%減となったことで5.1%安となりました。内田洋行(8057)も第1四半期の営業利益が前年同期比で95%の減益となったことから急落し13.8%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなったことで一日を通して昨日の終値を挟んで小幅に揉み合い方向感に欠ける一日となりました。新たな材料に乏しいなかで高値警戒感もあって上値が伸び悩むと下落に転じ、押し目買いから反対に下げ渋るとプラスに転じる展開で小幅に上昇して取引を終えました。下げそうで下げない展開が続いているだけに先高期待は依然として強いとみられますが、上昇ピッチが速かっただけにスピード調整が必要ということなのかもしれません。
なお、日本時間の22時30分には米新規失業保険申請件数が、そして4日の午前0時には11月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)