東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反発となりました。日経平均は190円高の26,624円で寄り付き直後に270円高余りまで上昇した後一旦伸び悩みましたが、9時50分ごろから一段高になると10時10分過ぎに393円高の26,827円まで上昇し390円高で前場を終えました。さらに上げ幅を広げ413円高でスタートした後場の日経平均は直後に418円高の26,852円まで上昇し本日の高値を付けた後14時過ぎに307円高の26,740円まで上げ幅を縮めましたが、その後戻すと結局353円高の26,787円で取引を終え年初来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場でアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が6%以上上昇するなど半導体株が堅調だった流れを受けて日本市場でも半導体関連株が買われました。シリコンウエハー大手のSUMCO(3436)が7.1%高となり年初来高値を更新し13連騰となったほか、信越化学工業(4063)も2.8%高となり昨日に続いて上場来高値を更新しました。半導体製造装置関連でも東京エレクトロン(8035)が3.5%高となり上場来高値を更新し、アドバンテスト(6857)も1.9%高となりました。また、目標株価や投資判断の引き上げに大きく反応したのが古河電気工業(5801)やNTN(6472)で、古河電気工業は目標株価と投資判断の引き上げを受けて6.7%高となり年初来高値を更新し、NTNも目標株価と投資判断の引き上げを好感して8.3%高となりました。

一方でリクルートホールディングス(6098)が一時5.6%安まで下落する場面がありました。株主8社が持つ政策保有株を最大で9472万株売り出すと発表したことで需給悪化を懸念した売りが出ました。下げ幅を縮め引けは2.9%安となっています。富士電機(6504)も6.7%安となりました。富士電機が製造した半導体に不具合が見つかった問題で複数の納入先との和解が成立し損失額が現時点で103億円になると発表したことが嫌気されました。さらに投資判断の引き下げを受けてミクシィ(2121)も8.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は353円高となりました。時間外で米株価指数先物が上昇していたこともあって買いが優勢となりましたが、昨日の米国市場でダウ平均が270ドル以上下げるなかでの大幅高だけに相場の地合いの強さを改めて印象付ける一日となりました。本日から師走相場入りですが、幸先の良いスタートとなったことから年末株高への期待が一段と高まりそうです。なお、日本時間の2日午前0時に11月の米ISM製造業景況感指数が発表されるほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米上院での証言も予定されています。また、1日の米国ではセールスフォース・ドットコム(CRM)の決算発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)